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第49回佐賀記念JpnIII

早め先頭から突き放す
  佐賀の古豪も4着健闘

当初JRAの登録馬には東海ステークスGII(JRA中京)を勝ったばかりのスワーヴアラミスの名があり、同レースの勝利で優先出走権を獲得したフェブラリーステークスGIと佐賀記念JpnIIIのどちらへ向かうのか注目された。結局2月3日時点で回避となったが、白山大賞典JpnIII(金沢)、浦和記念JpnII(浦和)を連勝中のメイショウカズサ、金鯱賞GII(JRA中京)など芝の重賞を2勝しダート初参戦のギベオン、重賞未勝利ながら地方初挑戦の前走名古屋グランプリJpnIIで2着のケイアイパープルなどJRA勢は厚い布陣。一方の地方馬は当初発表のジンギら兵庫の強豪が回避と、今年もJRA勢優勢ムードとなった。

平日開催ながら好天に恵まれたこともあり多くのお客様が見守るなか、佐賀記念JpnIIIのパドックでは2011年にこのレースを勝利し現在は福岡で乗馬として供用されているメテオロロジストが誘導馬として、鞍上の吉松育美さん(ミス・インターナショナル2012世界大会グランプリ)とともに本馬場入場まで無事に勤め上げた。

単勝人気上位5頭はやはりJRA勢が占めたが、直近の重賞成績が重視されたのか、メイショウカズサ(1.7倍)とケイアイパープル(2.3倍)の2頭に人気が集中する形となった。

好スタートからメイショウカズサ、ギベオン、ライトウォーリアの3頭が抜け出して行ったがハナ争いは激しくならずにメイショウカズサが先頭へ。1周目の直線でケイアイパープルとスマハマも前との差を詰めてやや縦長の先行馬群を形成。向正面入口で2番手まで進出してきたケイアイパープルがメイショウカズサに迫って行き、3~4コーナーで先頭を奪うと楽々と差を広げ余裕のゴール。向正面で3番手まで位置取りを上げてきていたアメリカンフェイスは直線でメイショウカズサを交わして2着に浮上したが、勝ち馬との差は5馬身だった。逃げたメイショウカズサは3着を確保したが、序盤で2番手に付けていたギベオンは向正面で前から離され始め6着敗退と、初ダートは厳しい結果に終わった。

ケイアイパープルは昨年8、9月にオープン特別を2連勝。前走の名古屋グランプリJpnIIでは3番手から3コーナーで抜け出しを図り、一旦は先頭に立ったものの外からヴェルテックスに交わされての2着だったが、今回も早めに先頭を奪いに行くと、そのまま押し切る圧勝。地方ダートグレード2戦目で重賞初制覇となった。陣営は「右回りがいいのでここを選んだ。今後は未定だが名古屋大賞典も視野に入れている」とのこと。

地方最先着の4着は佐賀のグレイトパール。4年連続の佐賀記念JpnIII出走で、初挑戦だった19年の4着以来となる掲示板内進出となった。昨年後半は九州大賞典、中島記念と重賞2連勝。9歳となった今年も大舞台で存在感を示してくれそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 いちかんぽ(桂伸也、早川範雄)

Comment

藤岡康太騎手

※写真は2019年エルムステークスGIII優勝時

スタート自体はそんなに速くなかったんですが、流してそのままいいポジションを取れましたし、淀みのない流れでしたが追走していけました。長くいい脚を使える馬なので、早めに動かして行って自分で押し切る形を選びました。いい内容で勝てたと思います。