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ヒカルアヤノヒメ


高橋華代子

2022.02.18 (金)

「気になるあの馬はヒカルアヤノヒメ」

提供:愛知県競馬組合

1月31日の名古屋競馬場3レースで、18歳になって初戦を迎えたヒカルアヤノヒメ(愛知・井上哲厩舎)が17歳の塚本征吾騎手を背に、通算301戦目を走り終えました。

ヒカルアヤノヒメは現在の国内現役最高齢馬で、国内最高齢出走の記録を持っている北海道のクラベストダンサー(18歳9月)に迫っています。

ヒカルアヤノヒメの馬主は三原公子様、生産が富菜牧場様(浦河)。父がメイショウオウドウ、母がゴールデンタッソーという血統。

2006年11月に中央競馬からデビューすると、2007年8月に愛知の井上厩舎に来て、3歳12月から5歳6月までは大井所属として走り、それ以降は再び愛知へ帰り今に至ります。同世代の地方競馬の活躍馬は、今は種牡馬のフリオーソ。

「こんなに長い付き合いになるとは思いませんでした(苦笑)。名古屋競馬場も前は定年制があって10歳以上になると移籍しなくてはなりませんでしたが、ヒカルアヤノヒメの頃には撤廃されました。この仔たちにとって走ることが生きる術でもあると思うので、オーナーのご理解もあって、元気で走れるうちは頑張ってみようと」(井上調教師)。

提供:愛知県競馬組合

若い頃のヒカルアヤノヒメは気持ちを高めることもあったそうですが、今ではすっかり大人しくなり穏やかな性格とのこと。15年の競走生活を振り返ると、レース中に砂が目に当たり失明の危機があり、脚元に怪我をすることもあり。そういう時は治るまでしっかり休ませて無理はさせてこなかったことを、井上調教師は振り返ります。

「これまで大病もないですね。この仔はさく癖があってよくグイをします。それが原因で腹痛になる馬も多いですが、この仔は一度もないので、獣医師さんも驚いています」。

ヒカルアヤノヒメは夏場が得意で夏負けは一度もないそうですが、冬場はあまり得意ではないそうです。2月のレース前に風邪をひいたため、現在は3月の開催に向けて調整中とのこと。

「若さの秘訣と言っても特別なことはしていないし、18歳の競走馬をやったことがないのでわからないことが多いので、この仔から日々勉強させてもらっています。

カイバ食いやおしっこ、ボロの変化など、何かあったら早く見つけてあげられるように、日々の健康観察をしっかりやっているということですかね。調教前の準備運動は長くやって、調教量は息がしっかり持つように若い馬たちと変わりません」。

今でもカイバはたくさん食べるそうで、大好物のニンジンもバリバリと頬張っているそうです。人間と一緒で馬も食べられるというのは大事ですね。

「もうこれほどの付き合いになると家族と一緒です。元気で頑張っている姿を見せてくれることで、逆に人間が励ましてもらっているようです。引退後は生まれ故郷に帰る予定なので、元気に走れるうちは現役を続けて、最終的には牧場へ無事に帰してあげたいです」。

18歳牝馬が現役競走馬。ヒカルアヤノヒメというすごい馬が、名古屋競馬場にはいるんですね!

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など