第21回ル・プランタン賞

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第21回ル・プランタン賞

4コーナー先頭から人気に応える
  岡村騎手が佐賀で久々重賞勝利

今年は佐賀競馬場が佐賀市から鳥栖市へ移転(1972年7月)してから50周年にあたり、4月2日の新年度開催初日からロゴマークや本馬場入場曲、ファンファーレを一新。これに加えて重賞開催日には誘導馬の先導や、重賞競走とその前後のレースではファンファーレ生演奏と、『うまてなし』のキャッチコピーのもと、数々の記念イベントが企画されている。

他地区は最終登録の5頭のうち、コスモポポラリタ、アンティキティラの重賞勝ち馬2頭が回避。佐賀勢も重賞2勝のムーンオブザクインの登録がなく、出走全馬が重賞未勝利と、混戦模様のメンバー構成。うまてなしファンファーレ隊による生演奏で新・重賞ファンファーレが初披露されると場内から拍手が沸き起こり、発走時刻を迎えることとなった。

マーミンラブとブルーデイジーの先頭争いは、積極的に押して行ったブルーデイジーが制し、ザビッグレディーが3番手。直後にニフティスマイル(兵庫)が付け、その後ろも各馬差なく追走。

縦長の隊列となったが、1周目の直線に入ると、スタートで遅れて8番手だったケウ(川崎)がザビッグレディーの外まで一気に位置取りを上げた。2頭が向正面でブルーデイジーとの差を詰めていき、4コーナーではケウが先頭に。直線ではニフティスマイルが懸命に迫っていったが、1馬身1/4のリードを保ってケウが勝利。ザビッグレディーはさらに4馬身離されたが3着は確保し、上位3頭は単勝人気通りの決着。また、4着にはクレウーサ(浦和)が入り、遠征馬3頭はそれぞれ掲示板内を確保となった。

川崎所属のケウが勝ち、東日本からの遠征馬としてはル・プランタン賞初勝利。グランダム・ジャパン3歳シーズンの他地区15ポイントを獲得し、名古屋・若草賞勝ちのアンティキティラ(高知)と同点の暫定1位となったが「のじぎく賞は考慮するが、南関東でこの馬に合った1800から2000メートルのレースを探していきたい」(林隆之調教師)とのこと。

鞍上の岡村健司騎手は、2016年から18年にかけて2度佐賀競馬場で期間限定騎乗をしており、18年には花吹雪賞と佐賀皐月賞で重賞勝利している(他、当時のS2重賞4勝)。騎手デビューから間もないころに大きな経験を積んだ地で、今回は川崎からの遠征馬に騎乗し1番人気に応えての勝利。「自分がお世話になった佐賀競馬場でいい結果を出せて、とりあえずホッとしています」と、インタビューでは安堵の表情を浮かべていた。

佐賀3歳世代は重賞2勝のタケノサイコウが故障で戦線離脱、同じく重賞2勝の牝馬ムーンオブザクインは短距離志向で、春の二冠に向け混戦模様となっている。花吹雪賞、ル・プランタン賞の交流2戦はいずれも他地区馬勝利となったが、両レースで佐賀最先着だったザビッグレディーが主役となりそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

岡村健司騎手

先行馬が内枠に2頭いて、もうちょっとペースが流れるかと思ったんですけど、あまり流れませんでしたが、想定内だったと思います。自分の馬のリズムを大切にしながらポジションを上げて行ってという作戦で、馬が最後までよく頑張ってくれました。