web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第6回佐賀ヴィーナスカップ

南関東重賞3勝から佐賀凱旋
  早め先頭から押し切る完勝

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンは今年も佐賀ヴィーナスカップが開幕戦。昨年の出走馬では、勝ち馬のロカマドール(川崎)が秋桜賞2着など対象競走を4戦し総合2位、3着のシーアフェアリー(愛知)は兵庫サマークイーン賞(園田)を勝つなど3戦して総合5位と、2頭が上位に入っている。

そのロカマドール、シーアフェアリーに加え、佐賀のアンバラージュ(昨年2着)、キタカラキタムスメ(同6着)、ミスカゴシマ(同7着)と、昨年の出走馬5頭が参戦。佐賀の3頭はその後牡馬を相手に勝利を挙げている。これだけ見ると昨年上位の遠征馬に、地元馬が力を付けてきて挑む形なのだが、牝馬限定の地方全国交流重賞・しらさぎ賞(浦和、4月27日)から2着ダノンレジーナ(浦和)、3着アルコレーヌ(大井)と、同4着のシーアフェアリーに先着していた2頭が参戦。しらさぎ賞上位勢vs前年出走馬の構図となり、単勝人気はダノンレジーナ、アルコレーヌ、シーアフェアリーと、しらさぎ賞の上位順で1、2、3番人気となっていた。

出ムチを入れてハナに立ったセカイノホシの2番手にダノンレジーナがすんなりと付け、その内にミスカゴシマが3番手。しらさぎ賞では逃げていたアルコレーヌはスタートが今ひとつで5番手となり、ロカマドールは昨年よりはやや前の位置となる中団でレースを進めていた。

向正面でダノンレジーナが先頭を奪うと、アルコレーヌも2番手まで上昇したが、ダノンレジーナは直線でまだまだ楽な手応えのまま2馬身突き放し勝利。ミスカゴシマは、最後は前2頭から離されたものの3着は確保し、佐賀最先着。そこから差がなく4着シーアフェアリー、5着ロカマドールと入線。しらさぎ賞の上位馬が1、2、4着となり、地元馬が3着に食い込む形となった。

ダノンレジーナは3歳7月にJRAの未勝利戦でデビューしたが、その1戦のみで佐賀へ転出。初戦の3歳10組(1300メートル)でコースレコードタイでの勝利を皮切りに佐賀では圧勝続きで5連勝。

浦和移籍後も連勝を続け、地方初戦から11連勝を達成。南関東A級入り後は2020年のJBCレディスクラシックJpnIで地方最先着の4着、牝馬重賞を3勝と、これまでの佐賀ヴィーナスカップの出走馬としては最高の実績を持っての佐賀への凱旋だった。今回はアルコレーヌに2馬身差の勝利だったが、レース内容は着差以上の完勝で、実績通りの力を見せてくれた。今後はGDJ路線を進むということで、総合優勝へ向けて強力な候補となりそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

本橋孝太騎手

2番手でしたけれども自分のペースで行けて、3コーナーでもハミを取ってくれました。小回りですが、佐賀で走っていましたし、浦和や金沢でも経験して、戸惑うことなく走ってくれたので、レジーナにまかせて行けました。これからも無事に活躍してくれることを願っています。

小久保智調教師

オーナーが福岡出身で、佐賀を使いたいという強い意向があり、このレースを選びました。今年はグランダム・ジャパンのタイトルをどうしても獲りたいということで、今後は園田や名古屋へ行ければ、と思っています。