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第64回九州ダービー栄城賞

直線3頭の争いから抜け出す
  重賞2戦目で世代の頂点に

佐賀競馬ではコロナ禍の中、場内イベントや重賞表彰式を自粛していたが、九州ダービー栄城賞の当日からともに再開。佐賀競馬場移転開設50周年のイメージキャラクター『さがのうまこ』のお披露目や、佐賀競馬のネット配信番組の出演者によるトークショーなどのステージイベントを実施。毎年恒例の日本ダービーとの“Wダービー”で場内は多くのファンで賑わっていた。

2歳重賞の九州ジュニアチャンピオンはムーンオブザクイン、カペラ賞はタケノサイコウが勝利。両馬とも今年になって重賞1勝を加えたが、3歳三冠一冠目の佐賀皐月賞には出走しなかった。

その佐賀皐月賞を勝ったのは、花吹雪賞、ル・プランタン賞の他地区交流戦でともに佐賀最先着だったザビッグレディーだった。佐賀皐月賞から栄城賞へは8頭が引き続き出走。そして、佐賀転入後9連勝で2月のたんぽぽ賞を勝利後、軽度の骨折が判明したタケノサイコウが戦線復帰。単勝人気はザビッグレディー2.4倍、タケノサイコウ2.5倍とこの2頭が互角の支持を集めていた。

1つ前のレースが放馬のため発走が遅れた影響で、栄城賞は本馬場入場が発売締切直前となる慌ただしさもあったものの、うまてなしファンファーレ隊によるダービーシリーズ専用ファンファーレの生演奏で発走時刻を迎え、ダービーシリーズ2022の開幕となった。

スタートで押していったマーミンラブがハナに立ち、ザビッグレディーとタケノサイコウが2、3番手へ。その後ろも各馬差がなく10頭ひとかたまりの馬群を形成して1周目ゴール板前を通過。向正面でザビッグレディーがマーミンラブに馬体を併せにいき、ブリュットミレジメとイカニカンがこれについて行く一方でタケノサイコウは前から離される展開に。

4コーナーでザビッグレディーが先頭に立ち、オリベとイカニカンが追走し3頭の優勝争いとなったが、外のイカニカンの脚色がよく2頭を差し切って優勝。1馬身半差の2着にオリベ、さらにアタマ差の3着にザビッグレディーと、佐賀皐月賞の7着、5着、1着馬が入線。前3頭の争いから7馬身離れ4着タケノサイコウ、5着シウラグランデの順となった。

イカニカンは10月のデビュー戦では4着で、4戦目に初勝利。2歳時は重賞、特別への出走がなかったが、3歳になり中距離の特選、準重賞で2勝と台頭。古馬B級に編入後は中距離特別を2戦し、ともに先行するも10、11着に敗退していたが、重賞初出走の佐賀皐月賞では7着ながらザビッグレディーからコンマ8秒差に健闘していた。

次の3歳重賞は佐賀ユースカップ(7月3日)となるが、管理する真島元徳調教師は「長い距離の方がいいので、1400メートルはどうでしょうか?」と出走には慎重な姿勢。目標は3歳三冠目のロータスクラウン賞(9月25日、2000メートル)となりそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 築田純(いちかんぽ)

Comment

竹吉徹騎手

自分の中ではもう少し前から行きたかったんですが、ゲートが切れるとダッシュがつかずあの位置になりました。道中はすごく手ごたえがあったので、あとは馬に「頑張ってくれ」と思いました。ダービーとなるとすごく力が入り(勝てて)すごく嬉しいです。

真島元徳調教師

3歳条件を卒業して古馬の強い所で揉まれ、成績はよくありませんでしたが馬がめげませんでした。佐賀皐月賞のあとは、思い切って「負けてもともと」のつもりで調教を積んできました。夏に弱い所があるようで、馬と相談してからになるので、先の事は未定です。