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第40回読売レディス杯

好位から直線力強く抜け出す
  次の遠征に向けても手応え

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンはちょうど中盤の第5戦。ここまで4戦では浦和のダノンレジーナが佐賀、園田への遠征で勝利し、JpnIIIのスパーキングレディーカップでは大井のサルサディオーネが地方馬最先着の3着と、活躍が目立っている南関東勢がここでもワンツーとなった。

好ダッシュを見せたのは地元期待のベニスビーチだったが、二の脚のスピードで外枠から大井のアルコレーヌがハナをとった。エイシンホープ、控えたベニスビーチが2番手で併走し、そのうしろに岩手のゴールデンヒーラー、大井のグランパラディーゾら有力勢が続いた。勝負どころ3コーナーでペースアップするとエイシンホープが一杯になり、前4頭の勝負に絞られた。

4コーナーを回るところでも先頭アルコレーヌの手応えはまだ楽なまま。ムチを入れて断然人気グランパラディーゾが外からとらえにかかったがその差はなかなか詰まらず。しかし直線半ば、アルコレーヌの脚色が鈍ったところをグランパラディーゾが抜き去ると、2馬身差をつけての完勝。さらに5馬身離れてゴールデンヒーラーが3着に入り、道中後方集団から伸びてきた川崎のロカマドールが半馬身差まで迫ったものの4着。ベニスビーチが地元最先着の5着で掲示板を確保した。

直線を向いたあたりでは逃げ切るかに思えたアルコレーヌの赤岡修次騎手は、「4コーナーまで抜群の手応えでしたが、直線で内に刺さって苦しくなりました」と悔しそうな表情。内に刺さったことでラチ沿いの砂が深いところに入ってしまい、それで勢いがなくなってしまったとのこと。GDJ古馬シーズンでは初戦の佐賀ヴィーナスカップに続いての2着だった。

1800メートルでも重賞勝ちがあるゴールデンヒーラーは、今回はこの距離に期待しての遠征。「マイルくらいが合うと思いますが、南関東の馬はスピードが違いました。ただ遠征を重ねていけばもっとやれるんじゃないかと思います」と、山本聡哉騎手は手応えを感じたようだった。

勝ったグランパラディーゾは、中央3勝クラスから大井への移籍2戦目での重賞初制覇。前走スパーキングレディーカップJpnIIIでは牝馬ダート現役最強のショウナンナデシコを直後でマークし、最後までそれほどバテることなく5着はむしろ褒められる内容で、今回のメンバーでは人気どおり能力が抜けていた。

GDJのポイントでは、対象レースですでに2勝のダノンレジーナ(浦和)が30ポイントでトップ。他地区1着の15ポイントを加算したグランパラディーゾが20ポイントで2位につけ、18ポイントとしたアルコレーヌが表彰対象の地方馬では3位。遠征でも能力の高さを見せている南関東勢が、ここまで上位独占となっている。

グランパラディーゾ、アルコレーヌ、ともにGDJ古馬シーズンではラス前となる9月2日の秋桜賞(名古屋)に向かうことになるようだ。

取材・文斎藤修

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

本田正重騎手

終始手応えは楽で、あの馬(アルコレーヌ)のうしろにいれば大丈夫かなという安心感がありました。ペースもあまり速くなかったと思いますが、うしろから見ている感じでも(アルコレーヌを)交わせる自信はありました。距離は1400、1500までがベストかな。競馬が上手なので小回りコースも問題ないです。

渡邉和雄調教師

前走で少し噛んだところがあったので、気をつけるのは折り合いだけと思っていました。あとはあまり離れないところでと思っていたので、一番いい位置につけられたと思います。遠征でも馬体はほとんど減らなかったですし、右回りや小回りなど、次の遠征(名古屋)に向けて、不安材料が少なくなりました。