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ノンコノユメ


高橋華代子

2022.08.19 (金)

「気になるあの馬はノンコノユメ」

撮影:高橋華代子

2018年フェブラリーSや2015年ジャパンダートダービーなど通算6つのタイトルを獲得したノンコノユメが、現役を引退したことは大きなニュースになりました。JRAでは加藤征弘厩舎、大井では荒山勝徳厩舎<小林>に所属。

南関東に移籍したのは2019年夏。初戦の帝王賞は3着で、2戦目のサンタアニタトロフィーは南関東所属として重賞制覇を飾り、フェブラリーS以来1年5か月ぶりの勝利を収めました。

それ以降もダートグレード競走で古巣・JRA勢に挑戦し続け、2019年の東京大賞典と2021年の帝王賞はともに2着。今年10歳になってからも、大井記念2着、ブリリアントカップ3着と、持ち前の末脚を生かして力走。

この春頃、主戦の真島大輔騎手にお話しを伺った際には「10歳になっても根性は負けないですね。去年くらいからちょっと渋くなってきた感じはしていましたが、今はまた若々しくて、すごく生き生きしている感じがします。いい雰囲気ですよ」とのこと。

2歳から第一線で走り続けてきた馬が10歳になってもなおそう思わせるということに感動を覚えました。

今年6月29日の帝王賞は地方競馬の大将格として果敢に立ち向かいましたが、結果的にはラストランになりました(6着)。

「前走後は下半期のレースに向け山元トレーニングセンターに出して改めて馬体のチェックをしたところ、脚元に不安があることがわかりました。ちょっと楽をさせてレースに行くことも考えられる程度でしたが、チーム・ノンコで協議の結果、これだけ頑張ってきた馬なので10歳という年齢も考慮して区切りをつけることになりました。

ここまで怪我らしい怪我もなく頑張ってくれて、決して大きくないのに、どこにこれだけのすごいパワーがあるんだろうと思う馬でした。いいバネがあって根性もありました」(荒山調教師)。

ノンコノユメの生まれ故郷・社台ファームさんの7月26日付のFacebookに、乗馬として戻ってきたこと、今後は社台ファームの新入社員を教える先生になることが綴られていました。

人気と実力を兼ね備え、JRAから南関東に移籍後も、多くのファンに愛され見守れ続けてきたノンコノユメ。そんなダート界の雄が、現役生活に幕を下ろしました。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など