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第48回ビューチフルドリーマーカップ

JBCを見据えての盛岡参戦
  スローの逃げで5馬身差圧勝

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズン第7弾。今回の出走馬でここまでポイントがあるのは、サルサディオーネ10ポイント、ロカマドール9ポイント、コーラルツッキー3ポイント。この3頭はいかにポイントを加算できるかも注目となった一戦。

前日の夜から当日の朝にかけ降り続いた雨の影響で第1レースから不良馬場。次第に天候も回復して日中は気温も上昇し、第9レースからは重馬場に回復となった。

今回の注目はサルサディオーネ。これまで重賞7勝で、そのうちダートグレード5勝という実績は出走メンバーで群を抜く成績。地方全国交流ということでは、ライバルのショウナンナデシコ(JRA)は当然ながら不在。単勝は1.0倍の元返しとなるほどファンの支持を集めた。2番人気には、昨年7着ながら近走好調で盛岡ダート巧者の地元マルケイマーヴェルが10.1倍。3番人気は14.4倍のフワトロで、昨年は輸送によるマイナス23キロという馬体減もあって6着だったが、今年は追い切りを早めにするなど工夫して当日はマイナス3キロと輸送を無事にクリア。ロジータ記念勝ちのカイカセンゲンやエーデルワイス賞JpnIII勝ちのコーラルツッキーも参戦したが、4番人気以下は単勝20倍以上。いかにサルサディオーネに人気が集中していたかがわかる単勝の売れ方だった。

レースは予想されていたとおりに1番枠からサルサディオーネが楽に先手が取った。コーラルツッキー、フワトロが追走する形で前半からペースは落ち着いた。

淡々とレースは流れてバックストレッチでは内を3頭分くらい空けて逃げるサルサディオーネ。ラスト600メートルから各馬の手綱が動き追い出すと一気にペースが速くなったが、さすがに落ち着いた流れだけに中団、後方勢はなかなか先団には取り付けず。

直線を向くとサルサディオーネが突き放して独走態勢へ。ゴール前は流すような感じで、2着コーラルツッキーに5馬身差をつける楽勝劇となった。勝ちタイムは2分4秒7(12.6-12.1-12.6-13.5-12.9-12.5-12.8-12.1-11.3-12.3)で、前半1000メートル1分3秒7、後半1分1秒0というラップタイムからも、かなりのスローペースだったことがわかる。実力馬が先行して前残りの決着となった。

サルサディオーネは青森県産馬で、当日は東北町にある荒谷牧場の関係者も応援にかけつけた。8月21日の盛岡第2レースでは秋田県産馬イダリスの勝利もあり、みちのくに住むものとして東北での生産馬の活躍は嬉しいものだ。

GDJ古馬シーズンでは、サルサディオーネはこれで15ポイントを加算しトータル25ポイント。ダノンレジーナ(浦和)の30ポイントに次ぐ2位へ浮上となった。

矢野貴之騎手は「(サルサディオーネが)地方に来てから乗せてもらっていますが、乗るたびにたくましくなっているイメージがありますし、年齢を重ねても進化しているイメージはありますので、素晴らしい馬だと思います。JBCでは負けている相手もいるので一矢報いたい」と、JBCに向けて強い思いを込めて語ってくれた。

堀千亜樹調教師は「最大の目標は11月3日・盛岡で行われるJBCレディスクラシックなので、今日は盛岡のコースも問題なくこなしてくれましたし、経験できたことは良かったです。馬体の回復次第では日本テレビ盃を使うか、JBCレディスクラシックへ直行となるでしょう」

取材・文峯村正利

写真佐藤到(いちかんぽ)

Comment

矢野貴之騎手

繊細なところを見せるので初馬場は注意して乗らないとと思って、返し馬では少しフワフワする面もありましたね。レースでは普段は手前を替えられないこともあるけど、今回はスムーズでした。これまで戦ってきた相手とは違い、道中すごく楽に進められて強い競馬を見せてくれましたね。

堀千亜樹調教師

前走後は、このレースを目標に乗り込みも順調で良い仕上げで挑むことができました。少しデリケートなところがあり、初めてのことを気にするタイプでパドックでもその仕草を見せていましたね。盛岡2000メートルは坂を2度も登るので気になりましたが、レース内容に関しては納得です。