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第16回秋桜賞

接戦を制し遠征で3連勝
  GDJ単独トップで最終戦へ

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンもラス前。佐賀ヴィーナスカップ、兵庫サマークイーン賞を連勝したダノンレジーナに、読売レディス杯を勝ったグランパラディーゾが揃って南関東から遠征。優勝の行方を大きく左右する一戦だ。単勝ではダノンレジーナが1番人気だが、2頭の馬連複が1.5倍と人気が集中。離れて3番人気にノースクイーンカップ2着で北海道から遠征のクーファアチャラが続いた。

前走1200メートル戦を逃げ切っているクーファアチャラが難なく先頭に立つと、ダノンレジーナがぴたりと2番手、地元のベガスストリップ、さらにグランパラディーゾと外枠3頭が雁行状態で続いた。

3コーナー手前でベガスストリップが後退すると、勝負は早くも人気上位3頭に絞られた。3コーナーを回るところで外のグランパラディーゾが動いて一旦は2番手に押し上げたが、これを制するように動いたダノンレジーナが4コーナーで先頭をとらえにかかった。

直線を向いて、ダノンレジーナがそのまま突き抜けるかに思えたが、クーファアチャラも食い下がった。グランパラディーゾが遅れ、内で粘るクーファアチャラに、外のダノンレジーナが馬体を併せての追い比べはゴールまで続いた。

写真判定の結果、ダノンレジーナがクーファアチャラをハナ差でしりぞけての勝利。グランパラディーゾは1馬身半差で3着だった。

惜しくも僅差で2着だったクーファアチャラの田中淳司調教師は「うまくスローに落として、よく粘ったんですが」と悔しそうな表情。この後は道営スプリント(11月9日)を目標に短距離を使っていくという。

明暗が分かれての3着となったグランパラディーゾの本田正重騎手は、「金沢のときと体調は変わらなかったんですが、ずっと外々を回らされたのが大きかった。距離ももう少し短いほうがベストかもしれません」とのこと。この開催の名古屋コースは内の2、3頭分ほどが軽く、先行して直線内から突き抜ける馬が目立った。そのすぐ外は伸びにくく、一方で向正面からまくってくる馬は離れた大外を通って、直線でも馬場の真ん中を追い込むというシーンも見られた。この日は静岡県の一部で局地的な大雨があり、東海道新幹線が1時間ほどストップ。その影響で本田騎手は名古屋競馬場にはギリギリの到着で、そうした馬場傾向を確認できないまま、大外枠という不運もあったかもしれない。

勝ったダノンレジーナは、GDJのポイントでは他地区遠征の3勝で45ポイント。27ポイントで2位に浮上したグランパラディーゾに大きな差をつけた。遠征しての重賞3連勝という結果だけを見ると順調に来たように思えるが、小久保智調教師によると、やはり暑い夏はこたえていたという。今回はなんとか立て直しての辛勝だったが、「次は、そこ(レディスプレリュード)に行くしかないでしょう」と、GDJ古馬シーズン女王に向けて意欲を見せた。

取材・文斎藤修

写真国分智(いちかんぽ)

Comment

本橋孝太騎手

理想が2番手だったので、思っていたように運べました。暑さもあって、行きっぷりがいつもほどではなかったんですけど、その中で最後まで踏ん張ってくれたので、底力のあるすばらしい馬だと思います。いつも暑い中、長距離輸送でもがんばってくれるので、レジーナには感謝です。

小久保智調教師

今年の夏は暑かったし、調整が難しかった。佐賀遠征をこなしたときは、すごい仔だなと思ったんですけど、前回の兵庫はだいぶ疲れていたので、今回は立て直して、そのぶん少し重いのかなというのもありました。その代わり腰とか体がよくなっていたぶん、最後は辛抱できたのかなと。次はもっと動くと思う。