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第19回ロータスクラウン賞

佐賀と高知の3歳馬頂上決戦は
  高知三冠を争った2頭の一騎打ち

8月中旬からスタートした3歳秋のチャンピオンシップも、ファイナルのダービーグランプリへ向けての前哨戦はこのロータスクラウン賞が最後の一戦。既にダービーグランプリの登録馬は発表されており、その中にロータスクラウン賞の出走馬はないが、ダービーグランプリの1週前という日程では致し方ないところだろう。

今年の佐賀の3歳重賞戦線はレースごとに勝ち馬が変わり、春の二冠は佐賀皐月賞をザビッグレディー、九州ダービー栄城賞をイカニカンが勝利しここへ駒を進めてきたが、両馬ともに重賞勝ちはその1勝のみと、傑出馬不在の大混戦の様相を見せていた。

高知からは、三冠初戦の黒潮皐月賞を勝ったヴェレノと、残る二冠の高知優駿と黒潮菊花賞を制したガルボマンボの2頭が参戦。単勝人気はガルボマンボが1.5倍と抜けた1番人気となり、ヴェレノが2番人気の6.0倍と高知勢が高評価を受けていた。

ハナを切ったのはサンカハラだが、1周目4コーナーで内をするすると上がったホンニヨカが先頭を奪い、直線に入るとガルボマンボが3番手に付け、その後ろにザビッグレディー、ヴェレノ、イカニカンらが続いて8頭がほぼ一団となった。

向正面ではガルボマンボが位置取りを上げていくと、直後にいたイカニカンはそれについていけず。3コーナー過ぎでガルボマンボが先頭を奪うと、4コーナーでは内からザビッグレディー、外からヴェレノが追走した。

優勝争いはこの3頭に絞られていったが、直線で押し切りを図るガルボマンボとヴェレノの争いにザビッグレディーは付いていけず。高知2頭の争いは、ヴェレノがハナ差ガルボマンボを交わして勝利。その争いから8馬身遅れてザビッグレディーが3着を確保。イカニカンは見せ場を作れず9着に敗れた。

高知2頭がハイレベルな争いを見せた一方、佐賀勢は高知勢との力の差を見せつけられる結果となった。

ヴェレノは北海道デビューで12月に高知へ転入。3月に高知2勝目を挙げると、そこから今回の勝利まで9戦連続連対と一気に力を付けた。ガルボマンボとはこれまで8度直接対決があり、高知優駿、黒潮菊花賞など5回先着されていたが、佐賀の地でひとつ勝利を奪い返した形となった。今後は「初遠征だったので帰って馬の様子を見ながらになるが、高知では11月まで3歳のレースがないので、県外を使うかもしれないですが、まだ未定です」(宮川真衣調教師)とのこと。

ロータスクラウン賞での高知勢の勝利は2014年クロスオーバー、20年マイネルヘルツアスに続いて3頭目だが、出走2頭でワンツーは今回が初めて。佐賀勢は地元の3歳交流重賞の勝利はたんぽぽ賞のみ。古馬も今年は交流重賞勝利がなく、他地区相手に大きく後れをとる1年となってしまった。

取材・文上妻輝行

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

畑中信司騎手

勝ててよかったです。ホッとしてます。いつもより折り合いを欠いてしまったので、馬には申し訳ないことをしたと思いました。佐賀競馬場の馬場も相変わらず乗りやすい感じでよかったです。

宮川真衣調教師

タフな馬場になるとガルボマンボの方がいいなというイメージはあったので、佐賀の軽い馬場なら勝つチャンスがあるんじゃないかと思っていました。前半引っかかって苦しいレースになりましたが、馬装の工夫も良い方に向き、頑張って脚を使ってくれて差し切れてよかったです。