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第33回九州ジュニアチャンピオン

有力馬の除外で一転大混戦
  直線3頭の接戦から抜け出す

今年の佐賀の新馬戦は5月15日からスタート。例年、早い時期に勝ちあがった馬は夏のJRA小倉への出走を目指す流れがあるが、今年は新たな取り組みとして、地方競馬初となる九州産限定の新馬戦(6月4日)や、JRA認定競走ではないものの1着馬は収得賞金でJRAの2歳特指戦への出走が可能となるフェニックス賞チャレンジカップ(7月3日)を開催。後者の勝ち馬イチノコマチはJRA小倉のフェニックス賞(8月13日)、九州産新馬戦を勝ったヒイズルはひまわり賞(8月27日)と、ともに目標となるレースへ遠征し、新設2競走は成功を収めたと言えるだろう。

一方、最初の新馬戦を勝利したミヤノウッドリーはフェニックス賞へは登録せず、地元のみを使われ、JRA認定2歳1組を2勝するなど、5戦4勝の快進撃。九州ジュニアチャンピオンに駒を進め、断然の1番人気になるかと思われたが、レース当日に疾病(右後フレグモーネ)で競走除外。一転して単勝人気はイチノコマチの2.1倍を筆頭に4頭が1けた倍率となる混戦ムードとなった。

内から先頭をうかがうモーモーレッドに、ウイニングザソウルが並びかけていったが外の2番手に収まり、ハナを奪ったのはモーモーレッド。3番手に3番人気ニューホライゾン、1番人気イチノコマチは6番手に付け、そこからやや離れて2番人気シゲルスコーピオンが追走。

3コーナーでウイニングザソウルが後退すると、代わってニューホライゾンとイチノコマチがモーモーレッドとの差を詰めにかかり直線へ。

直線の攻防は内から伸びたイチノコマチが、逃げ込みを図るモーモーレッドをゴール直前でクビ差交わして勝利。ニューホライゾンは一瞬2頭から離され、外から追い上げたがモーモーレッドからクビ差の3着まで。今回の上位3頭は9月3日のJRA認定2歳1組(勝ち馬ミヤノウッドリー)で、2~4着になっていた馬たち。同レースに出走していなかったシゲルスコーピオンが4着に入ったが、3着馬からは2秒3差と大きく離されていた。

イチノコマチは新馬戦でミヤノウッドリーの2着のあと、同馬不在のレースを2連勝。フェニックス賞に遠征(8着)後も2着2回と、佐賀のレースでは5戦いずれも連対と安定した成績を残していた。このあとは「馬の状態を見ながらですが、この後の特別戦で中距離を経験させてから、カペラ賞(11月13日)へ向かいたい」(平山宏秀調教師)とのこと。またミヤノウッドリーも「大事を取って休ませましたが症状は軽く、カペラ賞を狙います」(東眞市調教師)と早期復帰の見込み。

カペラ賞では他地区デビュー馬との対戦となるが、今年度はその先に新設重賞のフォーマルハウト賞(12月18日、2歳牝馬限定・西日本交流)が行われる。今回の上位3頭とミヤノウッドリーはいずれも牝馬で、佐賀代表として好レースを期待したいところだ。

取材・文上妻輝行

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

飛田愛斗騎手

今日は初めての馬に乗せていただいたのですけど、感謝の気持ちで一杯です。3コーナー手前ぐらいからマークされる展開になってしまったんで、なるべく外に出していきたかったんですけど、出せるスペースもなかったんで、馬の力を信じて(砂が)深い内から行きました。

平山宏秀調教師

フェニックス賞へ遠征の影響もなく、その後は順調に来ていて、勝つ自信は多少はありました。前走(シリウス特別、2着)はペースが速くなかったので、今日は追いかけていくつもりで、飛田騎手には「早め早めに」ということだけ指示を出しました。