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第24回兼六園ジュニアカップ

3コーナーから一気のまくり
  直線追い比べを差し切る

この秋は金沢所属馬の活躍が目立ち、3歳のスーパーバンタムは今年無敗のまま初遠征となった西日本ダービー(園田)を制した。またこのレースの3日前にはベニスビーチも園田に遠征して兵庫クイーンカップを勝利。2歳馬ではショウガタップリがデビューから6連勝で地方全国交流の金沢シンデレラカップを制した。そのショウガタップりが出走してくれば断然人気になったであろうが、9日後の川崎・ローレル賞に遠征予定で不在。今回は地元同士の争いとなって、『鬼のいぬ間に……』と考えた関係者も少なくなかったはず。

また昨年は地方全国交流として10月5日に行われたが、今年は地元限定戦に戻って1カ月近く実施日が繰り下がり、11月27日の金沢ヤングチャンピオンへはちょうど1カ月という日程になった。

単勝オッズではショウガタップリの2着が3度あるピンクビジョンが1番人気だが、北海道から転入のエムオージェネラル、ノブノビスケッツとほとんど差なく3頭が人気を集めた。

ジャックトマメノキ、ミオソフィアが競り合うように先行したのは想定されたとおり。1コーナーを回るとジャックトマメノキが振り切って単騎での逃げになった。ピンクビジョン、エムオージェネラルは離れて3番手、そのうしろの外にダイヤモンドラインが続き、スタートがあまりよくなかったノブノビスケッツは後方2番手から。ただ、「前走で先行したらかかってしまったので、逃げるつもりもなかったし、焦ることもなかったです」と青柳正義騎手。

3コーナーの勝負どころ、外からエムオージェネラル、ダイヤモンドラインが前をとらえにかかり、ピンクビジョン、さらにノブノビスケッツもこれを追いかけた。

直線を向いてダイヤモンドラインが先頭に立つと、内のエムオージェネラルは脚色が鈍った。そこにノブノビスケッツ、ピンクビジョンが迫って3頭の追い比べは、外のノブノビスケッツが差し切って勝利。粘ったダイヤモンドラインが半馬身差で2着。ゴール前やや伸びを欠いたピンクビジョンはクビ差で3着だった。

明暗を分けたのは3コーナー手前、ピンクビジョンも仕掛けてはいたが、外からエムオージェネラル、ダイヤモンドラインに先に行かれたことで前が壁になり、「砂を被ったのを嫌がって外にも出られなかった」と岡部誠騎手。一方、大外枠のダイヤモンドラインはすんなり外の好位からスムーズにレースを運ぶことができ、さらに後ろからの追走となったノブノビスケッツも3~4コーナーで外から一気に位置取りを上げていくことができた。

「3~4コーナーでは前がごちゃついて無駄に脚を使っているようだったので、直線では差し切れるだろうと思って追っていました」と青柳騎手。とはいえ、直線ではノブノビスケッツもピンクビジョンもフラフラするところがあり、若い2歳馬同士の対戦で、ほんの少しの位置取りや展開が結果を左右することとなった。

ノブノビスケッツの次走について加藤和宏調教師は、「このあとは重賞の金沢ヤングチャンピオン(11月27日)が目標になると思います。ただ強いのが1頭(ショウガタップリ)いるので、それを負かしにいけるようにがんばらないと、期待はしいてます」

取材・文斎藤修

写真国分智(いちかんぽ)

Comment

青柳正義騎手

力があるのはわかっているんですが、乗り難しいというか、幼いというか、前走のように先頭に立ってしまうと遊んでしまうので、うしろから構えていきました。向正面ではハミをとらずにフワフワしていました。北海道でのレースも見て、長く脚を使えるので差し切ってくれるだろうと思っていました。

加藤和宏調教師

乗り込みはしっかりしていたので、プラス体重は成長分で、心配していませんでした。かからないように折り合いをつけて番手あたりで行く予定だったんですが、2コーナーを回ってもハミをとらなかったので、あれ?と思ったんですが、3コーナーを回って、あとは実力を出してくればいけると思いました。