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第65回道営記念

早めの仕掛けから追い比べを制す
  五十嵐騎手は最終騎乗を勝利で飾る

久々のフルゲートとなった道営記念には、中長距離のベストメンバーがそろった。ホッカイドウ競馬の関係者全てが目標にするレースというだけあり、パドックにはきっちり仕上げられた16頭が並び、狭く感じる迫力だった。

レースはエンリルが先行し、リンノレジェンド、シルトプレ、チャイヤプーンが続く。縦長の展開となり、サンビュート、クインズサターンは中団あたり。3コーナー過ぎで、サンビュートが内を突いてスパートをかけた。外からはルールソヴァールも差を詰める。

ゴール前はサンビュート、シルトプレ、ルールソヴァールの激しい叩き合いで、並びかけられた2番人気のサンビュートがゴール前ぐいっと抜け出し重賞初勝利を飾った。鞍上の五十嵐冬樹騎手は「2006年、コスモバルクで勝ったシンガポール航空国際カップ以来」というガッツポーズ。ウイニングランではスタンドに向かって馬上から大きく一礼した。勝ちタイムは2分6秒3。半馬身差の2着は1番人気の3歳馬シルトプレ、アタマ差で3着は6番人気のルールソヴァールだった。道営記念3連覇を狙ったクインズサターンは5着だった。

検量所に戻ってきた五十嵐騎手は、オーナーで、“ケイズ”の名で生産者でもある加藤ステーブルの加藤天明取締役と抱き合った。「このチームで勝ちに行った。冬樹さんではないと意味がなかった」と加藤さん。昨年の道営記念は、1番人気で10着に惨敗。五十嵐騎手はインタビューでも涙をこらえ「(昨年は)僕のミスでハナに行ってしまった。悔しさを晴らそうと思った」と語った。

記念撮影では20人以上の“チーム・サンビュート”が並び、さらに令和5年度のJRA競馬学校騎手課程に合格した五十嵐騎手の次女・ひなさんと記念撮影をするシーンもあり、検量所前は高揚感に包まれた。

若手の台頭が著しいホッカイドウ競馬だが、道営記念5勝目となるベテランの勝利は絵になる。レース翌日、五十嵐騎手の調教師免許試験合格が発表され、結果的に有終の美を飾った形となった。道営をけん引してきたトップジョッキーにふさわしいラスト騎乗だった。ここに照準をしっかり合わせてきた、道営記念7勝目となる堂山芳則調教師の手腕も光った。

ホッカイドウ競馬はこの日が今季最終日で、2018年の道営記念馬スーパーステションの引退式も行われた。リーディングは「最初から狙っていた」という落合玄太騎手が137勝で初受賞。田中淳司調教師がホッカイドウ競馬の最多勝利記録を更新する144勝で8年連続の受賞となった。霧によるレース中止もなく、本年度の発売金額は史上最高額の527億7857万5710円で開催を終えた。

取材・文小久保友香

写真浅野一行(いちかんぽ)

Comment

五十嵐冬樹騎手

最高です。ここ3戦はゆっくりしたペースだったが、今日は脚を余すことなく馬を信じて乗ろうと思っていた。ゴール前は残ってくれという気持ち。(昨年は10着だったが)再度僕を起用してくれて、本当に感謝しています。

堂山芳則調教師

言うことのない仕上げだった。騎手は、昨年は1番人気のプレッシャーもあっただろうが、今年は「気楽に乗っていけ」と。ゴール前も大丈夫だと思って見ていました。まだ5歳だし、(冬季は)大井に移籍して頑張ってほしい。