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ケウ


高橋華代子

2022.11.18 (金)

「気になるあの馬はケウ」

提供:瀬戸島昌人

11月9日に川崎競馬場で行われた3歳牝馬重賞・ロジータ記念SⅠ。パドックに馬体重が表示されると、周辺からはざわめきが起こりました。ケウ 602キロ。

前走のロジータ記念トライアルのサルビアカップが599キロだったので、大台の600キロまであと1キロと、より関心が集まっていました。ケウの体があまりにも大きいため、着用しているゼッケンが小さく見えるのも愛らしかったです。

地方競馬全国協会さんに調べて頂いたところ、データが残っている1973年4月以降の地方競馬の成績(ばんえいは除く)で、牝馬の出走記録はケウの602キロが一番重い馬体重になるそうです。ちなみに、ケウ以外では、2010年4月10日の佐賀競馬場でキョウエイウォーズという牝馬が592キロだったそうです。

ケウは父がラニ、母が大井の重賞ウイナー・ミヤサンキューティという両親ともに大型馬から誕生。2020年の北海道セプテンバーセール に上場され、佐久間拓士オーナーに当時のお話しを伺いました。

セリ前のコンサイナーさんの写真を見て、体は大きそうだけどバランスは良いので、予算的にも第一候補で考えていました。セリ当日は行けなかったので現地にいた林隆之調教師から「結構デカいよ」って言われましたが、それなりの大きさだと思ったので、地方のパワー勝負に向いていそうなイメージを持ちました。

運よく購入ができて、馴致はむかわ町のエスティウィンファームさんにお願いをしてからこちら(茨城県にある佐久間オーナーのリバティホースナヴィゲイト)に移動しましたが、想像の3倍増しくらいの大きさで、よくわからないけど、これはヤバいぞと冷や汗をかいた記憶があります(笑)。ケウという名前は、他に類を見ない大きさから「稀有」と命名しました」(佐久間オーナー)

ケウは体の大きさだけではなく、4月に佐賀競馬場で行われたグランダム・ジャパン3歳シーズンのル・プランタン賞で見事勝利を飾った重賞ウイナー。今後も長距離戦を中心に使っていく予定で、来年1月の川崎お正月開催の2000m戦に向けていくそうです。

気になる今後の馬体重について、林調教師に伺いました。

「今までは馬に芯が入っていないので動けないぶん、それに見当たったくらいの調教しかできませんでしたが、少しずつしっかりしてきているので、古馬になって楽しみはあります。602キロでも太い感じはなかったですし、もっと筋肉量が増えてくればと思っているので、競馬の時は600キロ台がコンスタントの体重にはなってくるでしょうね。ファンもたくさんいるので、それに見当たった成績も一緒についてきてくればいいなと思っています」(林調教師)。

稀有なケウ、今後も目が離せません!

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など