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第61回ゴールドウィング賞

ライバルを振り切り3馬身差完勝
  無傷の4連勝でダービーへの期待

名古屋で唯一の2歳重賞となるゴールドウィング賞。2018年覇者のエムエスクイーンはそのあと連勝を11まで伸ばして東海ダービーを勝ち、17年覇者のサムライドライブも10連勝を遂げるなど、ここをステップに活躍する馬も多い。

今年、無敗で駒を進めてきたのはセブンカラーズ。2走前の若駒盃は直線で鞍上が後ろを振り返って勝利を確信すると、残り100メートルほどは流しながらも2秒1差の圧勝。前走の準重賞・第1回弥富記念でも勝利を収めた。

しかし、お昼過ぎの前売りオッズで単勝1番人気に推されたのは笠松のスタンレー。今夏、JRAに移籍し新潟2歳ステークスGIIIでは芝のレースでも流れに乗り、10着ながら勝ち馬からは1秒0差とスピードを見せた。笠松に再転入し、地方競馬では無敗の3勝。パドック周回が始まっても同馬とセブンカラーズは単勝2倍前後で拮抗していたが、本馬場入場の頃にはセブンカラーズが単勝1倍台の1番人気に押し出された。

3コーナー引き込み線からのスタートで1頭抜けた好スタートを見せたのはエムエスドン。そこに二の脚でダッシュをつけたセブンカラーズがハナを奪い、直後にミトノシャルマンとスタンレーが続いた。

動きがあったのは向正面の残り800メートル付近。スタンレーが早めに先頭に迫ると、応戦するようにセブンカラーズもスピードアップ。一気に2頭の一騎打ちムードが高まり、3番手以下は5馬身以上離されていく。

3~4コーナーにさしかかり、コーナリングで内にいたセブンカラーズが一歩リードを取ると、直線はそのまま後続を寄せ付けず1着でゴール。無敗の4連勝で重賞初制覇を果たした。3馬身差の2着にスタンレー、4馬身差3着に内でロスなく運んだミトノシャルマンだった。

笑顔で引き上げてきたセブンカラーズの山田祥雄騎手は馬から降りるとホッとした表情を見せ、川西毅調教師は「ここでは負けない、というイメージがありました」と冷静に話した。

2着スタンレーの藤原幹生騎手は「早めからプレッシャーをかけようと思っていて、動き出しはこちらの方が手応えが良かったですが、コーナーで置かれた分でしょうか。この差がこれ以上広がる気はしていません」とリベンジに燃えた。

3着ミトノシャルマンは門別でデビューし、船橋を経て今回が名古屋移籍2戦目。半馬身差4着のエムエスドンはこれまで準重賞で3着・2着があり、ともに現時点での力は発揮したと言えるだろう。

勝ったセブンカラーズの今後について川西調教師は「東海ダービーを大目標に考えています。まだトモに弱さがあって、関節も固まっていないので、じっくり大事に使おうかなと思っています」と、年内は休養に充てて成長を促したい考え。無敗の連勝記録は来年に伸ばしていくこととなる。

取材・文大恵陽子

写真国分智(いちかんぽ)

Comment

山田祥雄騎手

新馬戦の頃に比べしっかりしてきて、気合も乗るようになってきたので不安はありませんでした。今日は出たなりで行こうと考えていて、スタートが速かったのでそのまま行きました。最後は脚が上がりましたが、なんとか逃げ切れました。ダービーへ向けて距離を克服する調教をしたいです。

川西毅調教師

前走に比べてトモの肉付きが良くなり、全体的に筋肉質になりました。見た目以上に馬体重があるのも実が詰まっているからでしょう。直線では後ろから来ても交わされる感じは受けませんでした。目標の東海ダービーに向けて追い切りの距離を長めに乗るなど調教のやり方を考えていきたいです。