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第50回佐賀記念JpnIII

4コーナー先頭から難なく押し切る
  引退間近の福永騎手が感謝の勝利

佐賀競馬場が佐賀市から現在の鳥栖市へ移転したのが1972年7月。2022年度は移転開設50周年記念となり、佐賀県競馬組合は『うまてなし。』のキャッチフレーズのもと多数のイベントを行っている。佐賀記念JpnIIIは96年まで開設記念の名称で行われ、改称後も回次を引継ぎ今年が第50回。現・佐賀競馬場の歴史を象徴する重賞だ。

JRAからの出走馬5頭のうち、22年レパードステークスGIII(JRA新潟)を勝ったカフジオクタゴンが単勝2.2倍の1番人気に推され、22年マーキュリーカップJpnIII(盛岡)勝ちのバーデンヴァイラーが2.5倍と差のない2番人気と、前年夏に重賞初制覇した2頭が人気を分け合う形となった。

当日は重馬場スタートながら晴天に恵まれて第6レースから稍重へ回復。しかし、そのころから雲が垂れ込め、冷たい風の影響で体感気温がぐっと下がった中、佐賀の『うまてなしファンファーレ隊』と大井の『東京トゥインクルファンファーレ』のコラボ演奏による生ファンファーレで佐賀記念JpnIIIの発走となった。

ディパッセがすんなりとハナに立つと直後にバーデンヴァイラーが付け、ジャズブルースとデルマルーヴルがそれを追走。その後ろにリュウノシンゲンとカフジオクタゴンが付け、JRA5頭と佐賀1頭が先行馬群を形成したが、向正面でリュウノシンゲンが下がり始め、JRA5頭の争いへ。

4コーナーでバーデンヴァイラーが先頭に立つと、直線でも危なげなく押し切って勝利。1馬身差での2着争いはデルマルーヴルがカフジオクタゴンをクビ差交わし、そこから5馬身離れディパッセ、ジャズブルースと入線し、JRA勢が掲示板内を独占。4番人気に推されていたラッキードリーム(兵庫)はスタートで立ち遅れた影響もあり、前との差を詰められずに地方最先着も6着に終わった。

佐賀勢は中島記念勝ちのリュウノシンゲンが7着。19年から佐賀記念JpnIIIに5年連続出走(地方最先着3回)のグレイトパールは8着で、このレースを持って引退し、この日の最終レース後に引退セレモニーを実施。今後は宮崎で種牡馬となる予定。

バーデンヴァイラーは地方初遠征だった昨年のマーキュリーカップJpnIII勝利後はJRA重賞で2戦連続2けた着順だったが、再度の地方遠征で重賞2勝目。川崎記念JpnIは補欠1番手で出走が叶わなかったが、今回の賞金加算でレース選択の幅が広がり、上位グレードへの挑戦も視野に入ってきそうだ。

鞍上の福永祐一騎手は今月で騎手を引退するため、この佐賀記念JpnIIIが地方ダートグレードでの最終騎乗。勝利騎手インタビューでは「デビューした当時から地方競馬場には全国各地いろいろ行かせていただいて、たくさんの方の応援をいただきました」と地方競馬への感謝の思いを披露。調教師へ転身後も管理馬で交流重賞を盛り上げてくれることだろう。

取材・文 上妻輝行

写真 桂伸也(いちかんぽ)

Comment

福永祐一騎手

レース前に齋藤調教師と話していたプラン通りのレース運びができました。まずはスタートを決めるのが大事なところだったので、うまくクリアできました。2番手を取ってからは非常にいいリズムで走れていましたので、今日は本来のこの馬の力をお見せできたんじゃないかなと思います。

齋藤崇史調教師

ここ2走は体調面がもうひとつ上がってこないなと思う中でもどかしいレースが続いたんですけど、今回はすごくいい状態で調整も上手くいってここに臨んで来れました。今後は馬の状態を見てからになりますが、交流ジーワンに出たいので、賞金が加算できて次につながると思います。