第22回ル・プランタン賞

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第22回ル・プランタン賞

長距離遠征克服し重賞初制覇
  地元のじぎく賞で加点狙う

グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズン第3戦のル・プランタン賞。当初の他地区選定・補欠馬には浦和・桜花賞、名古屋・若草賞土古記念の出走馬計3頭が含まれていたが、いずれも回避。佐賀7頭、兵庫3頭、笠松1頭の計11頭すべてがシリーズ初参戦となった。

遠征4頭に重賞勝ち馬はいなかったが、単勝1.7倍の1番人気はマルグリッド(兵庫)。兵庫転入後2勝、2着2回で、前々走の兵庫クイーンセレクションでサラキャサリン(続く若草賞土古記念も勝利)から3馬身差の2着。4.2倍の2番人気にはここまで6勝のミヤノウッドリー(佐賀)で、重賞未勝利ながら安定感のある2頭が1、2番人気に推されていた。

朝から雲一つない快晴に恵まれたが、週半ばの雨の影響が残り、第1レースから重馬場のままル・プランタン賞の発走を迎えた。好スタートから押して行ったモーモーレッドがハナに立ち、ミヤノウッドリーが直後を追走。向正面に入るとこの2頭が後続をやや離し、カタラ、マルグリッド、リーデレの兵庫勢3頭が3番手集団を形成。3コーナーでミヤノウッドリーが先頭を奪うと、3番手集団からはマルグリッドのみが上昇し、4コーナーでは2頭の争いに。

マルグリッドの手応えがよく、直線で先頭に立つとそのまま押し切っての勝利。ミヤノウッドリーも食い下がったが1馬身1/4差の2着。2頭の争いから6馬身離れた3着には、花吹雪賞を勝っていたエイシンレミーが後方2番手から追い上げ、飛燕賞を制したディーディーデイが中団からレースを進め4着に入った。以下、カタラ、ニューホライゾン(佐賀)と入線し、1~6着は単勝人気順の結果となった。

マルグリッドはデビュー地の北海道では1200メートル以下のみを使われ1勝していたが、兵庫での2勝は1700メートル、1500メートルと距離を伸ばして台頭しており、今回は遠征を克服しての重賞初制覇。他地区15ポイントを獲得し、10ポイントで並ぶ桜花賞勝ちのメイドイットマム(船橋)、若草賞土古記念勝ちのサラキャサリン(兵庫)を抜いてトップに立った。今後はのじぎく賞(5月11日、園田1700メートル)、関東オークスJpnII(6月14日、川崎2100メートル)と、GDJ3歳シーズン総合優勝を狙っていく予定だ。

なお続く第4戦の留守杯日高賞(4月16日、水沢)、第5戦の東海クイーンカップ(4月20日、名古屋)にはこの3頭の出走予定はない。

佐賀の3歳重賞はこのあと佐賀皐月賞(4月30日)、九州ダービー栄城賞(5月28日)となる。現状では牡馬のネオシエルが一歩抜け出す存在。昨年のル・プランタン賞も今年同様に他地区馬が勝利したが、地元最先着の3着ザビッグレディーが佐賀皐月賞1着、栄城賞3着と春二冠で活躍しており、今年の牝馬勢にも巻き返しの余地はありそうだ。

取材・文 上妻輝行

写真 早川範雄(いちかんぽ)

Comment

下原理騎手

今日のレースの流れを見てたら前残りだったので、先行する馬ではないのでロスなく回りたいと思っていました。すごく仕上がりが良くて、返し馬や最初のコーナーでも掛かってしまったんですけど、九州まで来てこの状態で走らせてもらったことに感謝しています。

新子雅司調教師

並びかけるまでは早いのですが、突き放すとソラを使うところがあるので、差は離せませんでしたが内容は良かったと思います。今回しっかり調教したというところもありますし、初の長距離輸送で馬体減(マイナス11キロ)は想定内でした。のじぎく賞から関東オークスへ行きます。