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第27回マリーンカップJpnIII

4コーナー先頭から突き放す
  強い4歳世代にニューヒロイン

今年で27回目を迎えた牝馬によるマリーンカップJpnIII。JRA、他地区(笠松)、地元の南関東から4頭ずつ計12頭が熱戦を展開した。共通していたのはどの馬が勝っても重賞初制覇だったこと。

単勝1.5倍と断然の人気を集めていた4歳ペルアアが、3連勝で初タイトルを獲得した。重賞初出走に加え、地方コースやナイター競馬なども初挑戦。普段からテンションが高く繊細な馬ということで、コンビを組む岩田望来騎手も返し馬から非常に気を遣っていたという。

一気にハナを奪ったのはチェイスザドリームで、ペルアアもすかさず2番手につけ、3番手には川崎のリネンファッションが続いた。4番手以下は大きく離れての追走で、馬群は縦長になった。

抜群の手応えで進めたペルアアは4コーナーで先頭に立つと、そのまま力強く後続を突き放し5馬身差をつける圧勝。勝ちタイムは1分41秒6(良)。「道中の感じで、これならいつも通りの脚を使えるんじゃないかなと思って直線に向かいました。強かったです」と岩田騎手。

2着は6番手から脚を伸ばしてきたレディバグ、さらに4馬身差の3着にも末脚を発揮したナンヨーアイボリーが入った。なお、地方馬最先着は4着のリネンファッション。JRA時代にダートグレード競走で活躍してきた実力馬が地力の高さを見せつけた。

優勝したペルアアはこれが8戦目という浅いキャリア。デビュー2戦目の芝のレースは9着に敗れたが、ダートでは連対を外していない。さらに左回りはこれで3戦3勝と負けなしだ。

管理する野中賢二調教師は「レースセンスのいい馬です。スタートも普通に出てくれて、見ていても安心できる競馬をしてくれているなと思いました。ただ、神経質なので、(待機)馬房から敏感なところを見せてちょっと心配していました。初めてのナイターで周りを結構気にしていたぶん、ペースが流れたのはありましたが、逆に折り合いもスムーズについていましたね。まだ課題がたくさんある中で勝ってくれているので、これからが本当に楽しみだと思います。いろんな経験を積んで成長して欲しいです」とコメント。

ダートの牝馬路線では、昨年のJBCレディスクラシックJpnIで3歳ながらワンツーフィニッシュを決めたヴァレーデラルナ(こちらも岩田望来騎手が騎乗)とグランブリッジが、4歳になってもライバルとして活躍を続けている。その2頭と同世代から誕生したニューヒロインが、どんな存在へと成長していくのか興味深い。

なお全日本的なダート競走の体系整備により、マリーンカップJpnIIIは2024年から3歳牝馬限定戦として9月下旬の実施となる。

取材・文 高橋華代子

写真 国分智(いちかんぽ)

Comment

岩田望来騎手

繊細な仔なので、返し馬もレースも丁寧に運んでしっかり気をつけました。ペースは少し流れていたんじゃないかなと。折り合いもスムーズで、雰囲気よく直線を迎えました。元々能力のある仔だと思っていて、やっとタイトルを獲ることができました。これからどんどんタイトルを獲って欲しいです。

野中賢二調教師

今日は人気し過ぎでしたね(苦笑)。この馬にしては体の筋肉量が足りないので、夏を越してもう少しついていくのかなと思っています。数日はしっかりケアをして、今後は状態を考慮して賞金を加算できる方法を考えていきたいです。地方の牝馬限定戦で予定を組んでいくのが現実的ですね。