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第32回オグリキャップ記念

ゴール前3頭の接戦を制す
  久々勝利からの飛躍に期待

オグリキャップ記念は東海地区の重賞として1992年に創設され、95年からダートグレードとして実施されたが、2005年には地方交流競走に変わった。その理由は、笠松競馬の経営状況。それでもここから全国的な存在に昇華した名馬は笠松競馬場の誇り。今年の1着賞金は5年前の4倍、総賞金はおよそ4.7倍になった。

レース当日の場内では笠松所属時のオグリキャップで7勝を挙げた安藤勝己さんのトークイベントも行われ、平日としてはかなりの混雑度。そのメインレースには他地区から5頭の遠征馬がエントリーしたが、佐賀のヒストリーメイカーは前日のうちに出走取消と発表されていた。

そのなかで人気を集めたのは、2月に大井競馬場で行われた金盃の上位3頭。そこで1着だったカイルと3着だったセイカメテオポリスが単勝2.5倍で並び(票数の差でカイルが1番人気)、2着だったトーセンブルは昨年の覇者ではあるが、5.1倍で3番人気。続く4番人気は高知のグリードパルフェで9.3倍と、遠征馬が上位人気に支持された。

逃げ先行タイプが不在というメンバー構成のなか、先手を取ったのはナムラマホーホ。「スタートがよかったのでそのまま行ったら、誰も競ってこなかったので」(塚本征吾騎手)という流れでの最初の1周は、かなりのスローペースになった。

出走馬の大半が一団になる長距離戦らしい展開は、2周目の向正面を迎えたあたりからペースアップ。2番手を追走していたカイルは3コーナーあたりで先頭に立つ形になった。そこに並んできたのが、昨年の東海3歳三冠馬タニノタビト。インコースからはグリードパルフェが追い上げて、アウトコースからはセイカメテオポリスが接近してきた。

最後の直線に入ったところでは、その4頭の勝負という様相。しかしタニノタビトは直線の半ばで伸びを欠く形になった。残り100メートルあたりでは、カイルの内からグリードパルフェ、外からセイカメテオポリスという戦い。その結果は、ゴール寸前でセイカメテオポリスがアタマ差だけ抜け出していた。2着はグリードパルフェで、クビ差3着にカイル。タニノタビトは4着に残り、トーセンブルは道中の反応がいまひとつのまま5着に終わった。

セイカメテオポリスは2歳夏のデビューから2連勝、3歳秋に戸塚記念を制したが、その後は重賞で2着3回。それでも陣営はダートグレードにも遠征して、強い相手と戦わせてきた。今回の勝利はその経験と、2回目の騎乗となる吉原寛人騎手の技術がもたらしたものといえるだろう。次走の予定は5月24日の大井記念。南関東も5月8日から重賞で地方他地区の騎手が騎乗できるようになることから、このコンビが継続される見込みだ。

逆に、苦笑いするしかないという表情だったのが、2着だったグリードパルフェの赤岡修次騎手。「先頭に立つと走るのをやめるクセがあるので、あの乗りかたがベスト。でも吉原がなあ……」とポツリ。同馬を担当する元騎手の山頭信義さんも「馬の調子がとてもよくて、修次さんがうまく乗ってくれました。でも吉原さんにもうまく乗られました」と話した。ただ、巻き返しへの意欲は十分。赤岡騎手も山頭さんも「次は六甲盃」と声をそろえた。

取材・文 浅野靖典

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

吉原寛人騎手

調子がいいと聞いていましたし、返し馬の雰囲気も良かったので、自信を持って乗りました。スローペースでも4番手で折り合いをつけられて、ゴール前では交わしてくれと思いながら追って、替わったところで良かったと思いました。うれしさのあまり、オーナーさんと調教師に抱きついてしまいました(笑)。

渡邉和雄調教師

この馬の力を出してくれれば大丈夫と見込んで遠征を決めました。名古屋グランプリのときは体調がいまひとつで、ブリンカーをつけて逃げるという、いつもと違う競馬でしたが、今回は万全という感触でしたね。夏に弱いので帝王賞はどうかと思いますが、今年はJBCが大井なので、そこは意識したいです。