先行争いを制し直線押し切る
地元5連勝で秋への期待広がる
日本海スプリントは過去5回で愛知3勝に対して地元は2勝。今年も笠松から4頭、愛知から2頭の遠征があり、地元からは3頭の出走。それでもその3頭は5月23日に行われたトライアルの上位馬。なかでも冬期休催明けから4連勝中のオヌシナニモノが注目を集めた。
その単勝オッズは最後まで1.1倍より大きくならず、その人気に応えての完勝。しかし全く不安がない、というわけではなかった。
オヌシナニモノとコンビを組んでいた吉田晃浩騎手が先週末の調教中に落馬して、複数箇所を骨折してしまったのだ。その代役として指名されたのは栗原大河騎手。栗原騎手が佐藤茂調教師からそれを聞かされたのは最終追い切りの直前だったそうで、表彰式のインタビューで「緊張しました」と話していたのは本心だろう。
レース内容も中身が濃かった。ゲートが開くと9頭のうち6頭がダッシュを効かせて先行争い。最内枠のスターオブケリー、7番枠のボサノヴァはトライアルと同じく先手を主張し、オヌシナニモノも好スタート。名古屋のウィップラッシュ、ヒロシゲダンディ、笠松のシルバも加わり、3コーナー手前でも激しい争いが続いた。
3コーナーに入ると格下のヒロシゲダンディが脱落して、ボサノヴァも後退。それでもインコースではスターオブケリーが粘り、オヌシナニモノ、ウィップラッシュと3頭で競り合う形。
しかし手応えに余裕があったオヌシナニモノが4コーナーで先頭に立つと、その勢いのまま押し切って5連勝。「絶対に負けられなかった」という思いで臨んだ栗原騎手は、表彰式が終わって検量室に戻ったところでようやく表情がほぐれた。
ウィップラッシュは最後まで食い下がって1馬身半差で2着。「逃げ争いの真ん中でキツかったです。外から来られていなかったら、もっと楽に2着が取れていましたよ」と、大畑雅章騎手。
惜しかったのは2着からアタマ差の3着だったミトノシャルマン。スタート後は先頭から離れた8番手だったが、直線で追い上げた脚には目立つものがあった。その内容に笹野博司調教師は「勝ちを狙って来たんですけどねえ。でも短距離の差し馬ということはハッキリしましたね」と話し、今後は遠征を含めて同じような条件を求めていくとのこと。渡邊竜也騎手は「トップスピードは速いのですが、そこに到達するまで時間がかかります」と課題を口にしたが、3歳でのこの結果には、今後の期待は大きいものがありそうだ。
なお、勝ったオヌシナニモノは優先出走権を得た習志野きらっとスプリントには出走しない予定だが、秋はJBCスプリントJpnIへの出走を目標に置いている。ちなみに佐藤調教師はオヌシナニモノを当歳時から見ているそうで、JRAから移籍してきたのはサプライズではなかったとのこと。佐藤調教師にとって思い入れのある逸材が、これからどのような姿を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。








栗原大河騎手
メンバー的に好位からでも、という想定もしていましたが、スタートが決まったので競り合う形になりました。流れは厳しかったですが、4コーナーでステッキを入れたら反応して押し切れました。でも最後まで気を抜けなかったですね。吉田さんが仕上げてくれた馬を勝たせることができて、ホッとしています。