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第7回石川ダービー

理想通りの展開で直線突き放す
  無傷の10連勝でダービー制覇

ショウガタップリがデビューから9戦全勝で迎えた石川ダービー。ならば1強か、というとそうでもない。ショウガタップリが不在となった北日本新聞杯をノブノビスケッツが6馬身差で圧勝していたからだ。ショウガタップリの前走ノトキリシマ賞では直線食い下がって1馬身半差の2着と健闘を見せたスカイピースが北日本新聞杯にも出走し、差のある3着に敗れていたことでも、ノブノビスケッツに逆転の可能性があるのではないかと思われた。

それでもやはりショウガタップリの単勝は1.3倍。ノブノビスケッツも3.2倍の支持を集め、北日本新聞杯2着だったボストンコモンが15.9倍と離れての3番人気だった。

逃げたのは兵庫の吉村智洋騎手が鞍上となったスカイピースで、ベストオーシャンが2番手。ショウガタップリは3番手の外目につけ、内にはダイヤモンドライン。ノブノビスケッツは、ショウガタップリを前に見る位置を追走した。

向正面で内から仕掛けたダイヤモンドラインが3コーナーで先頭のスカイピースをとらえにかかったが、抜群の手応えでショウガタップリが外から一気に先頭に立った。ノブノビスケッツも青柳正義騎手がムチを入れて追いかけたが、ショウガタップリの加速のスピードにはついていけず、あっさり勝負がついた。

4コーナー、右ムチ一発から追い出されたショウガタップリはそのまま後続を突き放し、ダイヤモンドラインに4馬身差をつけての完勝。ノブノビスケッツはダイヤモンドラインとの差を詰めることができず2馬身半差で3着だった。

ダイヤモンドラインは北日本新聞杯11着から、前走3歳A2戦を勝って臨んだ一戦。「内から砂をかぶらないように向正面から上がって行ったら、これは!と思ったんですが、3コーナーで外にショウガタップリが見えました。それでもほかの馬より末脚を使っていたと思うので、よくがんばってくれました」と満足げな表情は、5番人気ながら2着に入った中島龍也騎手。

一方、残念という表情は、ノブノビスケッツの青柳騎手。「枠順ですね。どこかで内に入りたかったんですけど、ロスの多い競馬になってしまいました。完全に吉原さんに展開をもっていかれました」

勝ったショウガタップリは、これでデビューから10連勝。吉原寛人騎手は7回の石川ダービーで4勝目。ショウガタップリには2歳時の金沢ヤングチャンピオン以来2度目の騎乗だった。「追い切りにも乗っていい感触だったし、去年の(金沢)ヤングチャンピオンで1700メートルに乗っているので、距離も大丈夫かなと思いました。負けていないということで、厩務員さんはプレッシャーで大変だったみたいですけど、ホッとしたと思います」

なおショウガタップリはジャパンダートダービーJpnIの選定馬となっているが、7月12日まで中1週ではさすがに使わないとのこと。今後について高橋俊之調教師は、「しばらく地元では使えるような重賞もないので、吉原騎手と相談しながら決めていくことになると思います。西日本ダービーを目指すか、中央の馬主さんなので、中央を使ってみるという可能性もあります」とのこと。ここまでは地元金沢のみでの10連勝だが、いよいよ全国への挑戦となりそうだ。

取材・文斎藤修

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

吉原寛人騎手

すごく感触のいい馬なので今日は安心して乗れました。行く馬についていければという理想通りの展開になって、強い勝ち方でほっとしています。レースでは指示通りに動いてくれるので、そのへんは強みだと思います。今日は前が止まらない馬場だったので早めに動きましたけど、それでも伸びてくれました。

高橋俊之調教師

馬は大事にしすぎてもよくないので、いいときにどう使うか、みんなと相談しながら1カ月ちょっとのローテーションで大事に使ってきました。ジャパンダートダービーにも登録したくらいなので自信はありました。理想の展開だったし、強いレースができてよかった。無敗のダービー馬だから価値がありますね。