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ヤングジョッキーズシリーズ TR 門別

躍進の2年目佐々木騎手が主役に
  新人小林騎手が2戦目を逃げ切る

トライアルラウンド(TR)東日本の初戦、門別には今年デビューした新人が目立つ顔ぶれとなった。

地元北海道は2名。4月19日の門別開幕日、第1レース、第2レースでデビュー2連勝といういきなりの活躍を見せた阿岸潤一朗騎手は、ここまで16勝。北海優駿で重賞初騎乗を果たし(9着)、この前週リリーカップでは9番人気のオーソレリカで2着に好走した。「初日からいい馬に乗せていただいて関係者の方々には感謝しています。以前より落ち着いて運べるようになったのと、ゲートも以前よりうまく出せるようになってきたかなと思っています」と自身を分析する。

もうひとり宮内勇樹騎手は怪我による約1カ月の休養があり、ここまで実質2カ月ほどの騎乗で5勝。「最初は自分の思うような騎乗ができてなかったんですが、だんだん落ち着いて周りも見えるようになって、それで少しずつ着順も上のほうがとれるようになってきました」と成長を感じているようだ。

船橋所属ながら現在は高知で期間限定騎乗している所蛍騎手も遠征してきた。

JRAの新人では、JRAでの初勝利一番乗りとなった小林勝太騎手がここまで5勝。佐藤翔馬騎手はこの日、3鞍のエキストラ騎乗を得て、第2レースで勝利。JRAでは未勝利だが、地方競馬では4勝目となった。

しかしながらこの日一番の注目は、デビュー2年目の佐々木大輔騎手(JRA)だったと言っていいだろう。この夏、JRA函館開催の12日間で18勝を挙げ開催リーディングとなった。デビューした昨年は9勝だったが、今年ここまで早くも37勝(JRAのみ)と躍進。去年と変わったところは?という問いには、「ないです」と言い切る。それでも「チャンスのある馬に多く乗せてもらえるようになって、そういう環境になってきました」ということでは、何らかの努力の結果ではあるのだろう。

1200メートルの第1戦は、そうした勢いを感じさせる佐々木の勝利となった。

ゲートを出たのは宮内騎手が速かったが、すぐに佐々木騎手のレジリエントアイルが先頭に立つと、後続を引き付けての逃げ。ゴール前では後続が迫ったが、それらを振り切って勝利。3番手の内を追走していた横山琉人騎手(JRA)がじわじわと差を詰め、外からは1番人気の谷内貫太騎手(大井)が一気に迫り、勝ち馬からクビ差での2、3着写真判定は、横山騎手がハナ差先着していた。

TR門別では1戦ごとに表彰式が行われ、佐々木騎手はそのインタビューで、「先輩の小沢(大仁)騎手と松本(大輝)騎手が2連勝していたので、僕も次のレースを勝って2連勝決めたいと思います」と意欲を語った。

そして1700メートルの第2戦では、佐々木騎手のファートムが単勝2.2倍で1番人気に支持された。

内枠からすんなり先頭に立ったのは小林騎手のハーディネス。レースは淡々と流れ、4コーナーでも手応えは十分なまま。宮内騎手、内に若杉朝飛騎手、外に阿岸騎手と、地元騎手3名がほぼ横一線となって追いかけたが、小林騎手はこれらを振り切り悠々と先頭でゴール。

連勝が期待された佐々木騎手は、中団から直線徐々に位置取りを上げ、直線内を突いて伸びてきたが2馬身差2着。「届くかなと思ったんですが、スムーズにハナをとった(小林)勝太君がうまく乗りました」と勝者を称えた。

さらに2馬身差で3着は地元の若杉騎手。「がんばった!エライ!」は、馬のことだったのか、自身のことだったのか。単勝278.5倍という最低人気での好走だった。

一方、4コーナーで外から前をとらえようかという勢いだった阿岸騎手は「ぼくの判断ミスですね。もう少し脚を溜めていればよかったんですけど、逃げ馬を早めにつかまえようと思って、そのぶん最後伸びなかった」と、2番人気の支持を受けていただけに、悔しさ一杯の6着だった。

連勝とはならなかった佐々木騎手だが、1着・2着でファイナルラウンド進出が視界に入る50ポイントを獲得。ここまで東西通じてトライアル3ラウンド6戦、いずれもJRA騎手の勝利となっている。

取材・文斎藤修

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

第1戦・1着 佐々木大輔騎手(JRA)

素直に気持ちいいです。返し馬から雰囲気がよくて、ゲートの中もおとなしくて気を散らさずスタートまでじっと待ってくれたので好スタートにつながったのかなと思います。(レース前に)馬場を歩いて意外と内が伸びる感じだったので、直線長かったんですけど、よく踏ん張ってくれました。

第2戦・1着 小林勝太騎手(JRA)

素直に嬉しい気持ちで、しっかり走り切ってくれた馬に感謝しています。今日は先行有利だと思っていたので、理想どおり1コーナーまでにしっかり逃げられて、向正面入って少し馬がふわふわしましたが、それで息が入ったところもあって、終いもしっかり脚を使ってくれたと思います。