二の脚の速さで直線単独先頭
前年の覇者を振り切って雪辱
全国各地でスピード自慢たちがしのぎを削ってきたスーパースプリントシリーズ2023。そのファイナルとなる習志野きらっとスプリントが船橋競馬場で行われた。川崎スパーキングスプリントを制したキモンルビー、園田FCスプリント優勝馬メイプルシスターも出走。別路線組からは、昨年の覇者ギシギシらが参戦した。
昨年のキモンルビーはギシギシの強烈な末脚に屈してクビ差2着に涙を呑んだ。あれから1年。今年はリベンジを果たす結果となり、陣営も喜びにあふれていた。キモンルビーのオーナー、Dr.コパこと小林祥晃氏は、ラブミーチャンで2011年から13年、コパノフィーリングで21年にこのレースを制しており、通算5勝目とした。
抜群のスタートを切ったのはメイプルシスターだが、二の脚の速いキモンルビーが先頭に立つと、メイプルシスターは併走、道中軽快に進めていく。
直線に入るとキモンルビーがライバルたちを引き離しにかかり、ギシギシが後方から猛追してきたが、今回は半馬身差で振り切った。勝ちタイムは59秒7(良)。
キモンルビーとコンビを組む御神本訓史騎手は「スタートは遅れたのでヒヤッとしましたが、そのへんのリカバリーは馬のほうが上手だったので、あとは流れに任せました。状態の良さと馬の根性でしっかり勝ち切ってくれて良かったです。これからまだまだスプリント界で活躍できると思います」とコメント。
キモンルビーはJRA未勝利から3歳時に高知に移籍。その年末の高知から船橋に移籍しても連勝を続け、12連勝で昨年の船橋記念を制し、その後は勝ち切れないレースも多くあったが、常に高いレベルで走り続けてきた。そして6歳になった今年、重賞連勝で通算3つ目のタイトルを獲得した。
御神本騎手は「女の子にしてはすごく長く活躍してくれています。厩舎関係者の努力の賜物だと思っているので感謝しかありません」と労っていた。
今後の具体的なレースは思案中とのことだが、引き続き短距離戦を狙っていく予定だと言う。
一方、今年は惜しくも2着に敗れてしまったギシギシだが、最後の追い上げは多くの人たちを魅了した。初めて道中12番手からの競馬になったが、「1000メートルのスペシャリストがそろっているレースでは、ダッシュ力という意味では上には上がいますね。思っていた競馬とは違いましたが、今までにない競馬ができたことは収穫でした。外枠なら勝っていたと思うし、そのくらいの競馬はしてくれています。勝ちたかったですが、いい競馬はしてくれました」と主戦の矢野貴之騎手は振り返っていた。
短距離馬たちが最大目標に置く今年のJBCスプリントJpnIは、大井競馬場で11月3日に行われる。ギシギシには地元の舞台で、その鬼脚を見せて欲しい。
取材・文高橋華代子
写真国分智(いちかんぽ)
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川島正一調教師
一瞬、去年のレースで差されたことがよぎりました。セーフティリードだったのでなんとかしのげるかなと思ったので、勝つことができて本当に良かったです。ちょっと出負けしても二の脚が使えるのはこの馬の強みですね。今回も引き続きじっくりと無理なく調整ができたのも良かったです。






御神本訓史騎手
前走は休み明けできっちり勝ち切ってくれて、今回はさらにメンバーの上がる重賞でしたが、陣営が前回よりすごくいい状態で送り出してくれたので、自信を持って騎乗できました。4コーナーを回るまではフラットな状態で走れたので、あとは深い船橋の馬場がどうかと思いましたが頑張ってくれました。