第41回読売レディス杯

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第41回読売レディス杯

厳しい展開も粘り腰を発揮
  ゴール前迫る4頭を振り切る

グランダム・ジャパン(GDJ)古馬シーズンは折り返しの第5戦。前走園田に遠征して兵庫サマークイーン賞を制した金沢のハクサンアマゾネスは、今回地元にもかかわらず不在。そこで2着に入り、目下のところGDJのポイントでトップに立っている大井のジュランビルが、引き続き下原理騎手で遠征してきた。しかし単勝1.4倍の断然人気に支持されたのは、このレース連覇を狙うグランパラディーゾ。鞍上が吉原寛人騎手となればなおさらだろう。

逃げたのは予想されたとおり北海道のクーファアチャラ。しかし楽に逃げさせてはもらえず、外から3頭が競りかけてきた。なかでも高知のアンティキティラは向正面に入っても半馬身ほどの差でぴたりと追走した。

3番手以下はやや離れたが、向正面中間からジュランビルがムチを入れて進出。スタートでダッシュがつかず中団からとなったグランパラディーゾも手応え十分なまま前を追いかけた。

直線を向いても前2頭の位置関係は変わらず。しかし競り合ったぶん、直線半ばでやや脚が上がり、3コーナー過ぎで単独3番手に位置取りを上げたグランパラディーゾに、ジュランビル、さらにうしろから追ってきたクリノメガミエースらがゴール前で一気に迫った。

それでもクーファアチャラが粘り腰を発揮して勝利。4頭が横一線となっての2着争いは、一旦はグランパラディーゾが前に出たかという場面もあったが、アンティキティラが粘っての2着で、勝ち馬との差は半馬身。グランパラディーゾはアタマ差3着。クビ差で4着にジュランビル。直線大外からもっとも伸びが目立ったのはクリノメガミエースだったが、道中の位置取りのぶんアタマ差で5着。掲示板を占めた遠征勢は、1着から5着までコンマ2秒差という接戦だった。

「3コーナーでも前2頭が競り合って、展開が向いたと思ったんだけど……」と残念な表情はグランパラディーゾの吉原寛人騎手。

それを差し返して2着に健闘したアンティキティラは、昨年3歳時は他地区への遠征で活躍したが、4歳になった今年は苦戦が続いて今回は6番人気という評価。前走牝馬の準重賞・ヴェガ特別で久々に2着に好走し、「調子はよかった」と言う別府真司調教師だが、台風で通行止めの可能性があり、1日早く金沢に移動するよう主催者から要請があり、その影響で17キロの馬体減が残念だったとのこと。

勝ったクーファアチャラは、地元で勝ちきれないレースが続いていたが、これが1年ぶりの勝ち星。重賞では昨年5月、中央からの移籍初戦だった門別のヒダカソウカップ以来となる2勝目。昨年9月の秋桜賞(名古屋)でもライバルの厳しいマークに遭いながらハナ差2着に逃げ粘り、グランパラディーゾ(3着)に先着していたが、それ以来の遠征競馬で持ち味を発揮した。

1400~1500メートルが適距離というクーファアチャラ。管理する田中淳司調教師は当日不在だったが、昨年2着だった秋桜賞が今年は1700メートルに距離延長となったため、近いところでは目標になるようなレースがないとのこと。レース選択には悩むことになりそうだ。

なおGDJ古馬シーズンのポイントでは、他地区4着のポイントを加算したジュランビルが29ポイントで依然として単独トップをキープしている。

取材・文斎藤修

写真国分智(いちかんぽ)

Comment

田中学騎手

ハナに行ってくれという指示で、もう少しゆったり入りたかったんですが、外から来られて速くなったかなと思います。最後は苦しくなって交わされるかという感じでしたが、よく辛抱してくれました。このくらいの距離がギリギリかと思いますが、小回りコースなら息が入るので、なんとかもたせられました。

田中淳司調教師

スタートしてすぐにハナに立ちましたが、そのあと外から来ましたからね。1コーナーを回るところで速くなって、3コーナーくらいで手応えがあやしくなっていたので、終わったかなと思ったんですけど、後続の馬も引っ張られて一緒に脚がなくなった感じで、逆によかったかなと思います。