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第20回ロータスクラウン賞

早めに仕掛け直線突き放す
  栄城賞2着から三冠目奪取

佐賀3歳三冠最終戦のロータスクラウン賞は、2008年以降は9月下旬か10月当初の開催だった。19年からは施行時期が毎年変わり、今年は西日本地区持ち回りの西日本ダービーが佐賀開催となる影響もあり、20回の歴史でもっとも早い8月13日となった。

九州ダービー栄城賞を勝ったテクノゴールドは7月下旬に休養から戻ったものの、猛暑の影響もあり良化途上のため自重。一方、交流対象の高知所属馬はここ3年のうち20、22年に勝利するなど活躍が目立っているが、今年は黒潮菊花賞と近接する日程となったためか登録がなく、佐賀10頭での争いとなった。

出走馬中、重賞勝ち馬は三冠初戦の佐賀皐月賞を勝ったネオシエルなど3頭いたが、それらを抑えて単勝1番人気に推されたのはサトミノアサヒ。4連勝でトライアルの佐賀城特別を勝ち、重賞初挑戦ながら2.8倍。続いてネオシエル2.9倍、ブレイブアモーレ3.3倍と重賞勝ち馬2頭もほぼ差のない評価を受けていた。

スタート直後はネオシエルが先頭に立ち、栄城賞同様に逃がされる形になるかと思われたが、内からサトミノアサヒとミヤノウッドリーが交わしてサトミノアサヒの逃げとなり、ネオシエルは外の3番手へ。ブレイブアモーレは先団5頭を見る位置で隊列は落ち着いた。

向正面に入るとブレイブアモーレが上昇していく一方で、ネオシエルは前との差が徐々に開いていった。

4コーナーでミヤノウッドリーがサトミノアサヒを交わそうかというところで、ブレイブアモーレが内を突いて先頭を奪取し、直線でも鋭く伸びてミヤノウッドリーに2馬身半差を付ける快勝。鞍上の石川慎将騎手はゴール時のガッツポーズやウイニングランで勝利の喜びをファンに大きくアピール。

2着ミヤノウッドリーから6馬身離れて3着リネンマンボ、4着アストライオスと入線。1番人気のサトミノアサヒは7着、2番人気のネオシエルは5着と、ともに理想的な位置で先行したものの、好結果を残すことはできなかった。

ブレイブアモーレは門別で6戦1勝から2歳10月に佐賀へ転入。短距離主体で使われていたが、春から中距離に挑戦し、九州ダービー栄城賞ではテクノゴールドから1馬身1/4の2着に健闘。その後は佐賀ユースカップ(1400メートル)で重賞初勝利、前走は古馬A級の脊振山特別で3着と、栄城賞後も順調に使われて力を付けてきていた。管理する手島勝利調教師は「遠征を考えてもいいのかもしれませんが、まずはオープン(A級)を勝たないとですね」と語り、当面は佐賀の古馬重賞が目標となりそう。

西日本ダービーに出走資格のある佐賀デビュー馬は今回ミヤノウッドリー(2着)、アストライオス(4着)、フミタツエンペラー(6着)の3頭が出走。ミヤノウッドリーは重賞未勝利ながら3歳三冠戦では3戦ともに佐賀デビュー馬最先着だった。西日本ダービーには出走予定とのことで、佐賀の大将格としての期待がかかるところだ。

取材・文上妻輝行

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

石川慎将騎手

前走は古馬オープンですごくいい走りで、ちょっと自信持って乗れました。ネオシエルが外にいて、前も止まりそうになかったので、自分で動いていかないとと思いながら内を選んで行きましたが、直線は伸びてくれるので、最後は抜け出して安心していました。

手島勝利調教師

栄城賞で大変に悔しい思いをしたので、最後の1つでも獲れてよかったです。道営から来た時に比べるとどんどん強くなって、古馬との3着で「春とは違うよ」というところを見せられたので、今回は勝ちに行きました。3コーナーで内を掬ったのが石川騎手のいい判断で、勝因だったと思います。