直線盛り返し接戦を制す
JBCへ向け期待高まる勝利
アフター5スター賞は大井1200メートル戦とあってまずは先行争いがレースの行方を左右する。しかしながら快速馬キモンルビーの出走取消により様相が変わってきた。ハナを主張したのは49キロの軽量ポーチュラカと昨年の覇者プライルード。その後に人気を分け合うギシギシ、ジャスティンが続いたこともあって、前半33秒1という超ハイラップを刻んだ。
ところが3コーナーを回ったところで俊足を武器にしていたギシギシの手応えがあやしい。笹川翼騎手がしきりに促すがいつもの素軽さは見られず、いったんは中団近くまで下がるほど脚いろが鈍ってしまった。
直線を向くと、逃げた2頭を捕らえて、東京スプリントJpnIII、東京盃JpnIII、カペラステークスGIII勝ちの実績を誇るジャスティンが鳴り物入りの転入戦らしいスピードで先頭に躍り出た。
レースが大きく動いたのは直線半ば。脚いろに勢いのあるジャスティンの勝利かと思われたところで、ミチノギャングと併せるかたちでギシギシが伸びて盛り返す。内からはブラックストーム、外からはマックスも迫ってゴール前は大混戦。最後はジャスティン、ギシギシ、マックスの3頭がせめぎ合う激しいレースになったが、真ん中からギシギシが抜け出して勝負は決した。写真判定の末、クビ差の2着がジャスティン、ハナ差3着がマックスで確定した。
「ズブさが出てきている」と栗田裕光調教師も言うようにヒヤッとする場面もあったが、「馬が近寄ってきたらフワッとした」と手こずりながらも笹川騎手が瞬時にカバー。直線ではもう一段ギアを上げるような伸び脚を見せた。昨年の習志野きらっとスプリント(1000メートル)に続く2つ目の重賞制覇になるが、ズブさが出てきたことで先行策にこだわらず、むしろ距離幅の可能性が広がったと言えなくもない。
ギシギシは2歳時に準重賞のジェムストーン賞を勝つなど、短距離の素質を高く評価され、優駿スプリントを目指していたが、3歳春に右膝を骨折。優駿スプリントトライアルを出走取消するに至った。その後は7カ月の休養を余儀なくされたが、復帰すると昨年の東京スプリントJpnIIIで重賞初挑戦。シャマル、リュウノユキナに食い下がり、ハナ、クビ差の3着と互角の勝負。タイム的にも1分10秒5と堂々たるもので、出世こそ遅れたが、力量はダートグレード競走で通用することがわかった。
「(習志野きらっとスプリント以来)1年ぶりの勝利。うれしいのひと言です。東京盃とJBCスプリントを目標にやってきただけに、まずは前哨戦で勝つことができてホッとしている。3歳時に長く休まなくてはならなかったことも今となってはプラスだったと思える」と栗田調教師。普段の調教をつけているのは元上山のジョッキーで現在は栗田厩舎で調教師補佐を務める三浦誠さん。「背中の乗り味が最高の馬。2歳の頃から素質を信じて大きなレースを目指してきた。体重のある自分が乗っているのもいい負荷になっているのかもしれない」とダートグレード制覇に向けて陣営にも火がついた。
「もう少し我慢していれば良かった。早く先頭に立ちすぎたのかも」と悔しさを表したジャスティンの森泰斗騎手。ギシギシと同様に東京盃JpnIIからJBCスプリントJpnIを目標にしている。
取材・文中川明美
写真宮原政典(いちかんぽ)
Comment

栗田裕光調教師
ちょっとズブくなりましたね。あの快速っぷりがなかったのでヒヤっとしましたが、ギシギシ本来の伸びがあれば勝てるなと思いました。90点くらいの走りですね。東京盃、JBC(スプリント)にいきます。この2つを目標に1年間やってきました。






笹川翼騎手
結果を出すことができてホッとしています。直線に向くとまだ手応えがありましたので交わしてくれると思っていました。馬が近寄ってきてからフワッとしたので手こずりましたが、最後はよく凌いでくれました。実績もありますし、短距離路線では中央馬相手にもやれると思っています。