地元で山本屋騎手が躍進
第2戦は兼子騎手が差し切る
ヤングジョッキーズシリーズTR 園田
ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)のトライアルラウンド(TR)は今年は短期決戦。9月に入ったばかりだが、西日本地区は折り返しを迎えた。
第1戦は山本屋太三騎手(兵庫)と角田大和騎手(JRA)が人気を分け合う形。大外の逃げ馬に騎乗した深澤杏花騎手(笠松)が大方の予想通り先手を取ると、僅差で単勝1番人気の山本屋騎手も内から押して2番手内を確保した。
向正面では先頭から最後方まで15馬身以上の縦長となる中、4コーナーでトーアセレーネと山本屋騎手が抜け出すと、8馬身差をつけて勝利。2番人気の角田騎手が中団から差し脚を伸ばし2着で、道中は内をロスなく回って4コーナーで外に持ち出した10番人気の岡遼太郎騎手(高知)が入った。
山本屋騎手は「地元騎手で新聞に印がついていますけど、YJSの順位は絶望的ですよね……」とレース前に話していたが、これで一気に30ポイントを獲得し、地方西日本で暫定10位から3位まで浮上。2着の角田騎手も20ポイントを加算し、JRA西日本で暫定3位に上がったのだが、「前の馬の手応えが良く見えて、早めに行かないと届かないと思ったんですけど。勝ってファイナルに行きたいです」と悔しがった。
一方、人気薄で3着に大健闘した岡騎手の馬に直近7走で騎乗していたのは高知の濱尚美騎手(7月まで兵庫で期間限定騎乗)。「濱さんから『ひと脚しかない馬』と聞き、内をロスなく回って仕掛けを遅らせようと思っていた通りに乗れました」と岡騎手は納得の表情だった。
後方から追い込んだ4着・川端海翼騎手(JRA)は「向正面から早仕掛けぎみに行きましたが、もう少し早くても良かったかも」と縦長の展開に苦しみ、5着・大久保友雅騎手(JRA)は「ずっと追い通しでした」。兵庫デビューで「懐かしい」と話した青海大樹騎手(佐賀)は6着だった。
第2戦は古川奈穂騎手(JRA)が単勝1番人気。最近は逃げて好成績を挙げ、園田競馬場はこの日が初騎乗だったが、事前のエキストラ騎乗2鞍のうち第7レースをキンタムチャチャで勝つと、応援に駆け付けた師匠の矢作芳人調教師や兄弟子・坂井瑠星騎手らとともに笑顔で口取り撮影に収まった。
しかしながら、古川騎手の馬はゲートの出が安定しないタイプで、この日もワンテンポ遅れるスタート。外から岡騎手が逃げの手に出ると、馬群は大きく2つに分かれて最初のコーナーを迎えた。
レースが動いたのは向正面に入ってすぐ。第1戦でも早仕掛けを意識した川端騎手が前の馬群の5番手から早め先頭に迫ると、呼応するように2番手の角田騎手も追い出し、3コーナーでは2頭のマッチレースの様相となった。直線を迎えてもなお続く追い比べを、ゴールまで50メートルほどのところで一気に差し切ったのはロードヴォラーレと兼子千央騎手(金沢)。同じく大外から脚を伸ばした長尾翼玖騎手(兵庫)がハナ差2着で、「4コーナーでは急ぎ過ぎて、雑に回ってしまいました」と大きく外に膨れたことを後悔した。
1馬身1/4差で3着は積極的に乗った川端騎手。「並びかけられたり、砂を被るとすぐに止めると聞いたので、早めに仕掛けようと思いました」とのことで、勝利に手は届かなかったが、昨年、自身の初勝利を挙げたTR園田で魅せた。4着・大久保騎手は「スタート一歩目でつまずいたのが全てです」と肩を落とし、5着に角田騎手だった。
TR園田2戦の結果、山本屋騎手が45ポイントで地方西日本3位、岡騎手・4位、長尾騎手・5位と、それぞれ浮上。しかし、山本屋騎手はこれにてTR騎乗は終了予定で、2ポイント差の岡騎手が1鞍騎乗予定のTR名古屋で逆転するか注目だ。
対して兼子騎手は腰のヘルニアのためTR金沢を欠場し、TRはわずか3戦のみの予定。そのため、第2戦を勝ったが暫定7位に留まっており、今後騎乗予定騎手の変更がなければ通算101勝間近(97勝)のため最後のYJSを終える見込みだ。
JRA西日本では角田騎手が暫定3位。なお、4位・古川騎手、5位・大久保騎手、6位・川端騎手はここでTR騎乗終了予定。また、10位・鷲頭虎太騎手(JRA)もTR終了予定で「また来年頑張ります」と帰路についた。
地方では阿部基嗣騎手(高知)もTR終了予定だが、こちらは「初めて地元以外で乗って、高知より砂が軽くて馬が思っているよりスイスイ進んでいきました」と、新たな発見があったよう。合林海斗騎手(佐賀)は「佐賀第2戦(2着)と金沢第2戦(1番人気12着)を勝てていれば、いい順位にいたんじゃないのかな」と、悔しさを抱えて九州に帰った。
取材・文大恵陽子
写真早川範雄(いちかんぽ)
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第2戦1着 兼子千央騎手(金沢)
思った通りペースが流れて、「行けるかも」と思いました。揉まれずに外から行った方が馬も気分よく走れるかなと思い、2コーナーから動き始めました。TR金沢を欠場した分、3鞍になって暫定7位は仕方ないです。9月中に通算100勝を達成したいですし、YJSは他騎手の乗り方が勉強になって楽しかったです。














第1戦1着 山本屋太三騎手(兵庫)
馬に感謝しかありません。師匠からはずっと「イメージトレーニングが大切」と言われ、自身の課題でもありました。それが少し結果に繋がったことと、地元で勝てて嬉しいです。その中でも課題が見つかったので、直していきたいです。ファイナルラウンドの川崎は地元(神奈川県出身)なので、乗りたいです。