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第23回サンライズカップ

7月デビューの新星誕生
  目指すはJBC2歳優駿

JBC2歳優駿JpnIIIと同じ門別1800メートルで行われる、ホッカイドウ競馬グレードH1の2歳重賞。群雄割拠の2歳世代でトップを目指す好メンバーがそろった。

日高地方も今年は暑さが続いたが、ようやく秋らしくなり、虫の鳴き声が響いて長袖1枚では寒いくらい。発走時刻の午後8時45分ころの気温は14度と冷え込んだ。

レースはプラセボがゲート内で転倒して競走除外となり、9頭立てになった。予想通りカプセル、パッションクライが先手を争う。ダバイエスペランサが続こうとするところをブリーダーズゴールドジュニアカップを勝った1番人気のブラックバトラーが追い上げ、3番手につける。

パッションクライはカプセルの外にぴったりつけ、カプセルのペースが落ちた4コーナー手前でブラックバトラーとともに上がっていった。パッションクライは桑村真明騎手のムチに応えてぐいっと後続を突き放し、2着に2馬身差をつけ重賞初挑戦を勝利で飾った。勝ちタイムは1分56秒7。2着はブラックバトラー、半馬身差3着はダバイエスペランサ。カプセルは5着だった。

7月デビューのパッションクライはこれで4戦3勝、2着が1回。1700メートル戦の前走はスローペースから抜けだして快勝し、遅いデビューながら3番人気と注目を集めた。2014年に開業した山口竜一調教師は18年の水沢・プリンセスカップ以来の重賞勝利で、門別では重賞初制覇。さらに母グラッドクライが門別に所属していた2歳時、初勝利に導いた時の鞍上は山口騎手と、ゆかりのある馬だった。「(表彰台に立った時は)騎手時代を思い出しました」と騎手時代通算2850勝(中央含む)を挙げた名手はほっとした表情を見せた。

最初にゲートに入った時はうるさい面を見せていたが、競走除外の影響で仕切り直しとなり、2回目は落ち着いてゲートに入れたことも功を奏した。桑村騎手はゴールした瞬間、珍しく「よっしゃー!」と声を張り上げガッツポーズ。「(個人的に)勝ちきれない競馬が続いていたし、山口先生と勝てたのもうれしかった」と笑顔。今季重賞6勝目となり、活躍著しいトップジョッキーが喜びを爆発させた。

6月の栄冠賞から始まったホッカイドウ競馬の2歳重賞はここまで8戦、全て違う馬が勝利。最初の能力検査で1番時計をたたき出したカプセルなど、まだ重賞に手の届かない実力馬や、力をつけている素質馬が控えている。今季の閉幕まであと50日だが、まだ門別の2歳戦から目が離せない。

取材・文小久保友香

写真浅野一行(いちかんぽ)

Comment

桑村真明騎手

どんな競馬でもできる馬。道中も力むことなく、いつでも動けるような態勢でした。とてもリズム良く走れていて、追い出しの反応も良かった、とても素直で、操縦性が良く乗りやすい。中央相手でもいい走りができると思う。

山口竜一調教師

とてもうれしいです。皆様の応援のおかげで門別で初めて重賞を勝ちました。力が全て出たんじゃないですか。前走、スローで折り合いをつけられたから素直な馬だと安心して見ていた。JBC2歳優駿制覇が一番の目標です。