好位から直線末脚弾ける
新馬戦大差勝ちから連勝
ゴールドジュニアは重賞に格上げされた2020年から東京ダービー馬アランバローズを出しているが、翌年から1200メートルに距離短縮。クラシック以外にも春には優駿スプリントという3歳短距離の頂点レースがあるため、距離の適性を見極めるレースにもなっている。今年はルージュノデンゴンが出走取消して11頭で争われた。
キャリアは浅いながら精鋭スピード馬が集まったことで激しい先行争い。デーレーラプター、マローネアバンティ、モンゲースパイがやり合うのを見ながら好位でレースを進めたクルマトラサン。直線を向いてモンゲースパイが先に抜け出したが、ギアをもうひとつ上げて外から交わしにかかると、最後は2馬身差をつけて1番人気に応えた。
「道中から手応えがよく、直線弾けるだろうなという感覚があったので安心して乗れました。砂を被ったことがなかったし、初物づくしのなか馬が柔軟に対応してくれました。この馬の良さは精神面の強さ。イレ込んだりしないから、追い切りで走った後と変わらない状態を維持して力を出せる」と張田昂騎手は先々のローテーションにも期待を寄せた。
2着はモンゲースパイ。「スタートが速いしセンスある馬。900~1200メートルというのがいい距離だと思いますがポテンシャルの高さでもう少し長くても走りきってくれそう。でも今回は相手が一枚上でした」と野畑凌騎手。短距離路線での活躍が楽しみでならない。
クビ差3着には2番人気だったスピニングガール。中団後ろからのレース運びになったが、37秒3のレース最速上がりタイムで直線は外から猛追。「モマれたり、砂をかぶった経験が少ないぶんの差。単純な力関係では上だと思います」と笹川翼騎手は素質の高さを強調した。
勝ったクルマトラサンは今回がキャリア2戦目というベストウォーリア産駒。能力試験を受けたのは6月7日だが、デビューしたのは8月8日。その日の船橋では新馬戦が5鞍組まれ、1000メートルが4鞍、1500メートルが1鞍。1500メートル戦を快勝したのは同じくキャリア1戦で川崎の若武者賞を優勝したグラッシーズマン。クルマトラサンは1000メートル戦では他の3鞍の勝ち馬より1秒以上速い破格のタイムを弾き出し、2着馬には2秒0差をつける大差勝ちだった。
「能力試験のあと、納得する仕上がりになるまでデビューさせなかった。2カ月くらい待ったかな。レースを使う予定で牧場から帰ってくるんだけど、馬の成長をもう少し待とうと、また牧場に戻したり。その繰り返しが輸送競馬にもつながったのかもしれないね。ここを勝ったことで急がずローテーションを考えられるし、来年は新たなかたちでのクラシック。じっくり仕上げて目指していきたい」と張田京調教師。次走には「ハイセイコー記念を予定している」とも話していた。
ここまで南関東で実施された2歳重賞は、ルーキーズサマーカップは浦和のアムクラージュ、若武者賞は船橋のグラッシーズマン、そしてゴールドジュニアは船橋のクルマトラサンと船橋勢の新興が目立っている。来月には鎌倉記念、平和賞、ハイセイコー記念と続いて来春をイメージできるようにもなるが、勢力図はどう塗り替えられるのだろうか。
取材・文中川明美
写真築田純(いちかんぽ)
Comment

張田京調教師
初めての遠征でも入れ込みはまったくなく安心して見ていられました。先行馬に絡まれないようになるべく内に入れられたら入れてくれと話していたんですけど、その通り直線もうまく外に出せました。賢い馬ですね。ハイセイコー記念の予定で仕上げていこうかなと思います。









張田昂騎手
レース間隔があったことで、イメージ通りに仕上がりが進みました。砂をかぶったことはなかったし、初物づくしでしたけど、柔軟に対応してくれました。道中から手応えがよく、直線弾けるだろうなという感覚があったので安心して乗れました。