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第1回ネクストスター金沢

直線楽に後続を突き放す
  好タイムで逃げ切り3連勝

ダート競走の体系整備のひとつ、1着賞金1000万円の2歳重賞『ネクストスター』がいよいよ金沢から始まった。

金沢の2歳重賞では、昨年まで24回の歴史を重ねた兼六園ジュニアカップ(1500メートル)が未来優駿の対象レースとなっていたが、それがネクストスター金沢に置き換わり、2歳短距離路線の充実ということで1400メートルに距離短縮。また昨年までの兼六園ジュニアカップ(1着300万円)から一気に賞金がアップしたことで、9月下旬という時期にもかかわらず充実のメンバーが集まった。

圧倒的な強さでデビューから2連勝のダヴァンティは、トライアルの石川テレビ杯(1400メートル)の勝ちタイム1分29秒4が、今年無敗のまま石川ダービーを制し、西日本ダービーも圧勝したショウガタップリの2歳時1400メートルの最速タイム(1分29秒5)を上回るもので、単勝1.4倍の支持を受けた。門別のアタックチャレンジを制して転入したスペリオルパンサーは金沢で余裕の2連勝。ここまで5戦4勝のエムティイーグルまで、単勝ひと桁台の人気を集めた。

ただ完成度の違いと言おうか、ダヴァンティが他馬を圧倒するレースを見せた。

ゲートが速かったのはスペリオルパンサーだったが、ダヴァンティは気合を入れることもなくすぐに先頭に立った。ショウガフクキタルがぴたりと外の2番手につけ、スペリオルパンサーは内で直後の3番手。中団のエムティイーグルも向正面から位置取りを上げ、3コーナーでは先行集団にとりついた。

懸命に手綱をしごく好位勢に対して、ダヴァンティの栗原大河騎手はまだ持ったまま。4コーナーから追い出されると、あっという間に後続を突き放し、ゴールの瞬間、栗原騎手は左手を突き上げ雄叫びを上げた。「第1回ということで、獲りたいタイトルだったので、ほんと嬉しかったです」

2馬身半差での2着争いは、粘るスペリオルパンサーを、エムティイーグルがクビ差とらえたところがゴール。人気3頭の決着ではあったが、ダヴァンティは着差以上の強さ。良馬場の勝ちタイム1分28秒9は、前走の勝ちタイムをさらにコンマ5秒詰めた。

2着エムティイーグルの中島龍也騎手は「掛かっている馬が壁になって、そのぶん下げて外に出して前を追いかけるロスがあったんですけど、それがなくても勝つまではどうだったか。2歳で(1分)28秒台で走れる馬はそうはいないですよ。この馬も成長はしているんですけど……」。3着スペリオルパンサーの吉原寛人騎手は「内枠がよくなかった。それでもよく走ってくれてはいるんですけど、現状ではどう乗っても(ダヴァンティには)勝てなかったかな。それくらい差がある」と白旗を上げた。

ダヴァンティの次走について、佐藤茂調教師は、「次の重賞(金沢ヤングチャンピオン)には他所から強い馬が(転入して)来るでしょうけど、その馬たちとやってどうかですね。最終的には川崎(全日本2歳優駿)も考えています」と、全国レベルの舞台へ期待は高まる。

取材・文斎藤修

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

栗原大河騎手

能力検査から乗せてもらっていて、この馬は走るなという確信はあったので、結果が出せてうれしいです。(課題は)まだ3戦しかしてなくて、ぜんぶ逃げ切りなので、揉まれたときにどう対応するかですね。いつかそういう経験をさせてあげられれば、さらに成長できると思います。

佐藤茂調教師

スタートして吉原君(スペリオルパンサー)がステッキを入れてもついてこれなかったので、かなりスピードはあるなと思って見ていました。ダノンレジェンドにワークフォースなので、折り合いさえつけば距離はマイルくらいまでは大丈夫かなと思います。性格が大人びているので、輸送も問題ないと思います。