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第43回白山大賞典JpnIII

圧倒的人気にこたえ差し切る
  DG3連勝でさらなる飛躍の期待

白山大賞典JpnIIIは、ダートグレードレースでは数少ない“地方所属馬が勝ったことがない”重賞。今年は大井のセイカメテオポリス、川崎のライトウォーリアという実績十分の2頭が参戦したが、またしてもJRAのカベは厚かった。

その“厚いカベ”になったのはウィルソンテソーロ。昨年8月28日に初勝利を挙げ、そこから一気にオープン入りしてダートグレードレースを連勝中。川田将雅騎手とのコンビという点を含めての評価は、単勝1.2倍という断然人気。

続く2番人気は連覇を狙うケイアイパープルで7.9倍。3番人気は最終的に9.3倍でメイショウフンジンとなったが、本馬場入場あたりではライトウォーリアが3番人気に推されていた。その要因はおそらく、昨年末の東京大賞典GIと年明けの川崎記念JpnIで5着に入り、前走の帝王賞JpnIでも6着に入った実績とともに、吉原寛人騎手の手綱が期待感を持たせたのだろう。

南関東からのもう1頭、セイカメテオポリスはマイナス15キロの馬体重。重賞3連勝中で、大井記念ではライトウォーリアと対戦して勝利しているが、34.9倍の6番人気でレースを迎えた。

東京トゥインクルファンファーレの生演奏を合図にゲート入りが始まり、スタートが切られると、最内枠のゴライコウはダッシュがつかず中団から。先行争いは激しくなったが、逃げ先行で結果を残しているメイショウフンジンが先頭に立った。2番手は併走する形でケイアイパープル。3番手はペイシャエスとライトウォーリアが並び、その直後にウィルソンテソーロという位置取りになった。

その隊列は1コーナーあたりでもほとんど変わらず、先頭のメイショウフンジンと2番手のケイアイパープルも競り合う形にはならなかった。

レースが動き始めたのは2周目の3コーナー手前。メイショウフンジンの幸英明騎手が追い出しを始めたのが合図になった。ケイアイパープルも藤岡康太騎手が手を激しく動かして粘り込みを図るところ、ウィルソンテソーロが一気にその争いに加わってきた。最後の直線に入るとケイアイパープルは苦しくなったが、メイショウフンジンは粘りを見せた。

それでも最終的にはウィルソンテソーロの勢いが上で、メイショウフンジンを半馬身とらえての勝利。1馬身半差の3着にはペイシャエスが流れ込み、ケイアイパープルは2馬身差の4着。ライトウォーリアはさらに3馬身差で5着だった。

吉原騎手は「溜め逃げされる形になったので、展開的に難しかったですね。コーナーで息を入れることもできませんでした」と話した。

そしてセイカメテオポリスは6着。青柳正義騎手は「位置取りは考えていたとおりでしたが、道中でついていくのが精一杯でした」と、残念そうな表情を見せた。

対照的にホッとした表情が、ウィルソンテソーロを管理する小手川準調教師。ダート中距離路線には同じオーナーのウシュバテソーロというチャンピオンがいるが「そのことを含めて、オーナーとこれからの作戦を立てられるのが、また楽しみになります」と喜んでいた。

取材・文浅野靖典

写真早川範雄(いちかんぽ)

Comment

川田将雅騎手

気持ちが前向きなので、そこを少しコントロールしながらの道中でした。もうすこし良くなるだろうなという状態でしたので、次はさらにいい状態で向かうことができると思います。僕が乗せていただくようになって3戦目で、いい筋肉を身にまといながら成長していることを感じています。

小手川準調教師

今日のパドックではいい雰囲気だなと感じましたね。いろいろな距離、条件に対応してくれていますし、川田騎手に育ててもらっているという感じもありますね。今は厩舎でもすっかりリーダー的な貫禄を見せるようになりました。馬体の完成度という点ではまだまだ先があるのではないかと思います。