全日本的なダート競走の体系整備により、佐賀では“ネクストスター佐賀”を創設。それに伴い2歳戦初期をリニューアル。新馬戦には“ホープフルデビュー”の名称を付け、うち早期（今年度は6月いっぱいまで）のレースは優良馬の早期入厩を促す目的で“スーパーホープフルデビュー”として通常の新馬戦（1着200万円）より賞金が増額（同260万円）。また、昨年まで10月上旬に行われていた九州ジュニアチャンピオンを1カ月繰り上げとなる9月3日に移動し、ネクストスター佐賀のトライアル（1、2着優先）となった。

ネクストスター佐賀を昨年までの九州ジュニアチャンピオンと比較すると、開催時期（10月上旬）と距離（1400メートル）は同じ設定の一方、佐賀デビュー馬限定戦から転入馬の出走が可能となった点が大きな変化ではあるが、感覚的には昨年までの2歳路線がそのまま賞金増額されたと捉えることができるだろう。

九州ジュニアチャンピオンは、逃げたムーンオブザサマーを直線でトゥールリーが3/4馬身交わして勝利。同レースからは上位7頭のうち5着馬を除く6頭が参戦。単勝1番人気はムーンオブザサマーで2.8倍だが、コンマ8秒差と接戦だった上位4頭にカシノルーカス（前走アンタレス特別勝ち）を加えた5頭が単勝1けた台にひしめく混戦模様の評価となった。

九州ジュニアチャンピオン同様に好スタートから逃げを狙ったムーンオブザサマーだが、今回は最内のビーアライブにハナを奪われ外の2番手を併走。やや離れてトゥールリー、ウルトラノホシ、カシノルーカスが追走。向正面でビーアライブが後退してムーンオブザサマーが先頭に立つが、3コーナーでトゥールリーとウルトラノホシも差を詰めていき、優勝争いは3頭に絞られた。

直線でもムーンオブザサマーが粘り込みを図ったが、外からウルトラノホシがじわじわと迫り、1馬身1/4交わして勝利。トゥールリーは伸びきれず3/4馬身差3着。道中後方だったグッドタイミングは向正面から上がっては行ったものの4着まで。九州ジュニアチャンピオン1～4着が着順を入れ替えて上位独占。そこから5馬身開いてカシノルーカスで、上位人気5頭での決着となった。なお、2頭出走していた他地区（北海道）デビュー馬はシーブレ7着、ビーアライブ11着と振るわなかった。

ウルトラノホシは6月4日のスーパーホープフルデビューを快勝後、3カ月の休養明けだった前走が九州ジュニアチャンピオン。2戦目での重賞挑戦は2コーナーで砂を被るのを嫌がって前との差が開いたこともあり4着に終わったが、今回は北海道から石川倭騎手を鞍上に迎えると、2コーナーで内を通って前を追走。成長を見せてネクストスター佐賀の初代王者に輝いた。