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第1回ネクストスター盛岡

出遅れも直線突き放し大差
  地元に敵なしデビュー4連勝

3歳短距離路線の頂点として1400メートルに距離短縮となる兵庫チャンピオンシップJpnII(園田)を目指す2歳戦として、1着賞金1000万円のネクストスターを新設。そして地方デビュー馬限定とすることで、地方生え抜きの強い馬をつくることが狙いで地元馬のみ出走可能。

ネクストスター盛岡の舞台となる盛岡ダート1400メートルの重賞は意外と少なく、ほかに6月に行われる3歳ウイナーカップ、10月の2歳牝馬による地方全国交流・プリンセスカップだけで古馬戦はなし。

この日第1レースから第4レースに行われたC2クラスの1400メートル戦の勝ちタイムは1分26秒8~27秒8。今週は速い時計が出る馬場となっており、平均値より1秒5速い馬場差。ちなみに第6レースに行われた2歳一組戦の勝ちタイムは1分28秒8だった。

次開催にダート1600メートルの若駒賞が組まれていることから8頭立てとなり、ビギナーズカップを制して3戦3勝フジユージーンが単勝1.1倍の圧倒的な1番人気に支持され、2番人気は7.0倍でカリフィア。

18時30分の発走でこの時季は照明が点灯されるが、経験がない2歳ということもあってかゲート入りを嫌う馬も。注目のフジユージーンが出遅れて場内は少しざわつく。周回コースに入ってカリフィアが先手を奪って、エイシンコソンテ、コンバットスプーンが追走。フジユージーンは外々から追い上げて3コーナー手前では先団3頭を射程圏に4番手まで進出した。

残り400メートルではカリフィア、コンバットスプーン、抑え切れぬ手応えのフジユージーンと3頭並んで直線へ。坂を登ってラスト200メートルでフジユージーンが楽々抜け出すと余裕の手応えで後続をグングン突き放して大差(1秒9)圧勝。タイムは1分25秒3(12.4-11.3-11.7-12.1-12.2-12.9-12.7)。

勝ったフジユージーンはこの日543キロの大型馬で、ビギナーズカップの小回り水沢コースより広い盛岡のほうが強さが際立つ。父ゴールデンバローズはこの世代が初産駒で、JRA・地方あわせて7頭が出走し3頭が勝ち上がっており、重賞はフジユージーンが2勝。

村上忍騎手は、「素直な子なので課題など特に心配する点はないんですけど、あとはスムーズにレースを運べれば、非常に乗りやすいです。これから徐々に距離を延ばしていくと思いますし、他地区の馬とも走る機会も出てくると思いますけど、ぜひ岩手の代表としていいレースをおみせできればいいかな……」

瀬戸幸一調教師は、「ローテーションもいいですし次走は南部駒賞へ。まだ馬体は余裕がある感じ、それでも馬の形は固まってきた感じ。来年の春には550キロくらい……。私自身、久々に出会った大物ですので、今後も大事に育てていきたいと思っています」と語ってくれた。

取材・文峯村正利

写真佐藤到(いちかんぽ)

Comment

村上忍騎手

しっかり走ってくれましたし出遅れは気になりませんでした。4コーナーを回って手応えがありましたから、抜け出すタイミングだけと思って乗っていました。ビジョンをチラッと見たんですけど手応えにまだ余裕があったので大丈夫だなぁ、と思いました。今日は非常に強かったです。

瀬戸幸一調教師

前回は地元(水沢)戦で馬体が立派すぎたと思います。2戦目の(盛岡)1400メートル戦が強かったので反省して今回は1週前に併せ馬を消化して調教を強化。前回と今回とスタート直後のスピードがもうひとつなので今後の改善点ですね。今日は思っていた以上にいいタイムで、いいレースでしたね。