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第1回ネクストスター門別

早めの仕掛けで直線独走
  人気にこたえ重賞2勝目

3歳馬の短距離路線の頂点、兵庫チャンピオンシップJpnII(園田)を目指す地元2歳馬による高額賞金レース『ネクストスター』。全国8場で行われ、4戦目は門別競馬場の1200メートルで実施される。

ここまでホッカイドウ競馬の2歳重賞は8戦行われ、全て違う馬が勝利している。1200メートル戦は、栄冠賞をストリーム、サッポロクラシックカップをオスカーブレイン、イノセントカップをトラジロウが勝ち、1000メートルの牝馬限定リリーカップはシシャモフレンドが逃げ切った。11頭が出走し、1番人気は単勝2.0倍のトラジロウだが、差のない競馬をしてきた馬も多く混戦模様となった。

そろったスタートに見えたが、チャンチャンがゲートを出た直後に落馬。予想通りオスカーブレインがすんなりとハナを奪った。同様に先行すると思われたシシャモフレンドは後方に控えた。リュウワンカノアが2番手、モノノフブラックとトラジロウが続く。2番人気のストリームは岩橋勇二騎手が手綱をしごくが後方のまま、縦長の展開となった。

3コーナー過ぎでモノノフブラックが追い出しにかかると内のトラジロウも上がっていく。直線を向いて2番手集団からトラジロウが抜け出してオスカーブレインに並びかけた。そしてゴール前200メートルで先頭に立つと力強い走りで後続馬を引き離し、5連勝で初代チャンピオンの座に輝いた。勝ちタイムは1分14秒0。7番人気のモノノフブラックが2着、オスカーブレインは3着に粘った。ストリームはゴール前追い上げて4着だった。

2着に4馬身差の完勝で、この世代最初の重賞2勝馬となったトラジロウ。モノノフブラックと一緒に上がった分追い出しが早まったが、それでも強さを見せた。生産者の新ひだか町、棚川祐志さんは「いい子で、悪いこともしなかった。たいしたもんです」と強さに驚きつつ笑顔を見せた。

1200メートルまでしか経験がないが、距離延長について、桑村真明騎手は「面白い」と期待する。角川秀樹調教師は「(桑村騎手と同じく)そんな感じはするが、やってみないとわからない。距離延長が課題」と、2歳から数多くの活躍馬を送り出してきた名士は慎重な姿勢を見せた。

今後は未定だが、“2歳戦といえば北海道”のプライドをひっさげ、“トラジロウの旅”は全国の短距離路線をにぎわせてくれるだろう。さらには上位馬も含め、来年から8月の3歳限定戦へと生まれ変わる北海道スプリントカップJpnIIIでの活躍も楽しみにしたい。

取材・文小久保友香

写真浅野一行(いちかんぽ)

Comment

桑村真明騎手

リズム良く運べたと思います。動き出しが早かったかなと思ったが、最後は耐え忍んでくれたのでやはり強いなという印象。少しトモが緩かったのも改善されたので、距離が延びても面白いと思います。

角川秀樹調教師

好メンバーだったが、思った以上に力があった。展開に左右されないのでジョッキーも操縦しやすいと思う。今後はオーナーと相談しながら決めたいと思います。力をつけているので、大きいところにどんどん挑戦したいです。