web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第22回鎌倉記念

早め先頭から直線突き放す
  狙った川崎でタイトル奪取

全国の2歳馬たちが熱戦を繰り広げている未来優駿2023。川崎競馬場では地方全国交流の鎌倉記念が行われた。デビュー間もない若駒たちのレースは何が起こるかわからない。出走11頭中5頭が単勝10倍以下のオッズにひしめき合う混戦ムード。

そして今年もホッカイドウ競馬の2歳馬が強さを見せつける結果になった。田中淳司厩舎の2番人気サントノーレが重賞初制覇。2021年のシルトプレに続く北海道勢7頭目の鎌倉記念Vだった。

レースを振り返ると、サントノーレは2番手を追走。逃げたモンゲースパイが早めに後退したため3コーナーで先頭に立った。

4コーナーではライゾマティクスも外から並びかけようとしたが、サントノーレが突き放し、最後は2馬身半差をつけてゴール。勝ちタイムは1分37秒0(稍重)。

デビューからコンビを組む服部茂史騎手は「道中いい手応えで来ていましたが、初めてのコースだったので、遊ぶところがありました。一瞬、馬も戸惑っていたみたいです。4コーナー手前で、外から森くん(ライゾマティクス)が来た時に、もう一回ハミを取ってくれたので、最後は勝てるなと思いました」とコメント。

サントノーレはエピカリス産駒の牡馬。デビューから2連勝を飾り、前走のブリーダーズゴールドジュニアカップは3着だったが、今回は初めての長距離輸送、川崎コース、左回りなどを克服しての立派な勝利だ。

「今日のように速い脚をずっと持続できる馬です。行く馬がいなければハナに行くこともできるでしょうし、番手の競馬で早めに抜け出すこともできるし、見ていて安心できる競馬スタイルだと思います。この仔は、ここ(川崎)が合っていると思っていたので、結果が出せて良かったです」(田中調教師)

今後は12月13日の全日本2歳優駿JpnIを目指していきたいそうだ。

2着のライゾマティクスは、「前走とは雲泥の差ですね。力をつけてきているのと、調子も良かったんだと思います。スムーズな競馬ができて現状の力は出せたと思いますが、まだ気性的にも体も幼いし、来年が楽しみになるレースでした」と森泰斗騎手。デビューから3連勝のあと、前走ルーキーズサマーカップではまさかの5着だっが、関係者の期待は変わらず大きい。今回も勝ち切ることはできなかったが、力があるところは示したと言えるだろう。

年末の全日本2歳優駿JpnI、来年のクラシック戦線に向け、それぞれ可能性を示した一戦となった。

取材・文高橋華代子

写真築田純(いちかんぽ)

Comment

服部茂史騎手

一生懸命仕上げたスタッフたちにありがとうという気持ちです。自信を持って乗りました。南関東で初めて重賞を勝つことができてうれしいですし、北海道から来ても温かく迎えていただき、心からありがたく思います。来年1月からまた南関東に来ます(期間限定騎乗)のでよろしくお願いします。

田中淳司調教師

ある程度スピードの勝っている仔なので、いい位置につけられるなと思いました。早めに先頭に立って目標にされる形がどうかなと思いましたが、逆にひと伸びしてくれて強かったです。まだ馬には余裕があったと思います。南関東で勝つことは毎年ひとつの目標でもあるのでうれしいですね。