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第1回ネクストスター高知

ハイペースで逃げ切り4馬身差
  断然人気にこたえ他馬を圧倒

『ネクストスター高知』は、日程と距離が昨年まで行われていた黒潮ジュニアチャンピオンシップと同じ。ただ、高知デビュー馬限定という条件が外れた。ちなみに第1回(2016年)の同レースを制したのはフリビオンで、のちに全国交流でも好走。高知では長らく行われていなかったサラブレッドの2歳新馬戦が15年に復活したその翌年に活躍馬が出たのはまさに“高知競馬の底力”で、その後も優勝馬から西日本ダービーを制したアルネゴー、高知優駿などを制したハルノインパクトなどが登場している。

そういった意味でも注目が集まる一戦は12頭立てで、そのうち11頭が高知デビュー。唯一の例外であるリケアサブルも、門別の新馬戦(フレッシュチャレンジ)を制した直後に移籍して高知で5戦しているので対戦経験は豊富だ。そのなかで断然の支持を集めたのはプリフロオールイン。ここまで行われた準重賞2戦には出走していないものの、新馬戦2着の後の2戦がともに圧勝。出走メンバーのなかで1300メートルの持ち時計が断然という点が評価されたようで、単勝は1.3倍だった。

続く2番人気は、プリフロオールインをデビュー戦で負かしているウオタカで3.6倍。前走で2着馬に大差をつけたグラインドアウトが8.0倍で続いた。

ただ、レース内容は先行策を取ったプリフロオールインが2着に4馬身差をつける余裕の勝利。コンビを組む宮川実騎手に「全国に通用するような馬に成長させていきたい」と言わしめた。

逆にウオタカは先行争いには加わったものの「大外枠で流れに乗れなかった」(吉原寛人騎手)という内容で9着。グラインドアウトも先手を取りに行ったが、最後に脚が上がる形で10着に敗れた。

この日は前半6レースのうち5レースが逃げ切り勝ちで、あとの1レースも逃げ馬が3着に残っていた。各騎手もその傾向が頭に入っていたのだろう。スタートから400メートルの通過24秒6は、スタンドからでも速いと感じるスピード。先行争い6頭のうち4頭が9着以下という結果だった。

その流れを味方につけたのが2着に入ったリケアサブル。「前に行くつもりでしたが行けなくて、でもコースロスはしたくないので内にいて、3コーナーで外を回って4コーナーでまた内に入りました」という林謙佑騎手の判断が功を奏した。3着も後方を追走していたシシノブレイブで、多田羅誠也騎手は「3コーナーあたりで外に出してから、いい伸びを見せてくれました。でもこの距離は短いですね」と、今後につながる手応えを得たようだ。

それ以上に好感触を得ていたのが、最低人気(単勝284.6倍)ながら4着に入ったマジックセブン鞍上の佐原秀泰騎手。「外に出せないまま4コーナーまで来てしまいましたが、そこからよく伸びました。今回はうまくかみ合った感じがします」と笑顔。4コーナーまで2番手を走ったテイクノートも11番人気(195.5倍)で5着に粘った。「前走から付けたブリンカーの効果がありますね。ただ、最後が甘くて」と言いながらも、畑中信司騎手には満足感がある様子だった。

取材・文浅野靖典

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

宮川実騎手

スタートが決まれば逃げてもいいかなと考えていて、ペースが速くなるというのも想定内。1コーナーで競られたときにハミが抜けて息を入れられたところで余裕ができました。3コーナーで畑中騎手の馬が来たところでゴーサインを出すとしっかりと加速してくれましたし、高い素質を持っていると感じます。

打越勇児調教師

準重賞の出走枠に入れなかった影響で前走からは中1週という点を心配していました。内寄りの枠も気がかりでしたが、1コーナーで自分の形になったところで、これなら大丈夫かなと思いました。体質的にまだしっかりしていないところもありますし、今後は年末の金の鞍賞を目指していければと思います。