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第13回JBCレディスクラシックJpnI

早め先頭から独走4馬身差
  ダート転向3戦目で女王に

今回のJBC開催の直前、大井競馬場では本コースの砂の全面入れ替えが実施された。導入されたのはオーストラリア産の白い砂で、すでにいくつかの地方競馬で使用されているもの。前開催までは東京盃JpnIIでコースレコードが樹立されるなど、高速決着が続いていたが、入れ替え後は1秒から1秒半ほど、時計がかかるようになっていた。

それだけに差し、追い込み馬が上位に顔をのぞかせる場面もあったが、全体的に見れば先行有利。さらに内ラチ沿いは少し砂が深い印象があり、勝ち切るには2、3番手の外か、その1列後ろにつける競馬が理想だった。

そんななかで行われたダート牝馬の頂上決戦。JRAからは盛岡で実施された昨年の覇者ヴァレーデラルナ、地方のダートグレードで安定した走りを見せるグランブリッジやテリオスベル、レディバグに加え、前走で初タイトルを手にしたアーテルアストレア、3歳ライオットガール、ダート転向3戦目のアイコンテーラーが参戦。浦和のスピーディキックを含めて人気は割れ加減となり、混戦が続くこの路線を象徴するオッズとなった。

レースはヴァレーデラルナの先導で始まった。2番手にアイコンテーラーが続き、その外に大井のノーブルシルエット。テリオスベルはなかなか行き脚がつかず、向正面に入ってからようやく上がっていく展開となった。

3コーナーでテリオスベルが先団に追いついたところでアイコンテーラーが先頭を交わし、この2頭が並ぶ形で直線を迎えた。しかし、こうなれば前半で脚をためていたアイコンテーラーに有利。残り300メートルで突き放しにかかると独走に持ち込み、4馬身差で勝利。重賞初制覇をJpnIタイトルで飾った。

アイコンテーラーはデビュー以来、一貫して芝を使われ4勝をマーク。愛知杯GIII・2着など、高い能力を示してきたが、初ダートだったBSN賞で5勝目を飾ると、シリウスステークスGIIIでも2着に好走。牡馬トップクラスと互角の走りを見せたことで、今回も1番人気に推されていた。騎乗予定だった武豊騎手の右足負傷により、代打騎乗となった松山弘平騎手は「強くて、いい競馬をしてくれましたね」とアイコンテーラーをねぎらい、管理する河内洋調教師も「思い通りの位置取りでした」と、この開催のベストポジションに導いた鞍上のエスコートに感謝した。

2着はグランブリッジ。中団の追走から外に持ち出しつつ位置取りを上げると、直線で脚を伸ばした。ジョアン・モレイラ騎手は「リズム良く折り合うことができて、流れも理想的でした。でも、1頭強い馬に負けました」と勝ち馬に脱帽。ダート牝馬路線の中心的な存在として活躍しているが、このレースに限れば2度目の2着。名実ともにトップに立てる日を待ちたいところ。

レディスプレリュードJpnII勝ちのアーテルアストレアが、さらに半馬身差の3着。後方から息長く脚を使ったが、前走ほどの鋭い末脚は見られなかった。ミルコ・デムーロ騎手は「いつもよりスタートも出て徐々に上がっていけたけど、直線は思ったより伸びなかったですね。砂が替わったからかも」と悔しさをにじませた。ただ、前走に続く好走で、牝馬トップクラスの力は示すことができた。スピード優先の馬場なら巻き返しが可能だ。

スピーディキックが4着で、地方勢の最先着。後方からじわじわと伸び、御神本訓史騎手も「ゆっくり追走したので脚を使ってくれましたね。ただ、1800メートルは少し長いかな」と評価したが、上位3頭には水をあけられた形。また馬群を割って伸びるような、この馬らしい走りを見せてもらいたい。

ひとまず決着をみたダート牝馬の最高峰レース。とはいえ、昨年の覇者ヴァレーデラルナがその後、重量増もあって波に乗り切れず、今回も11着に敗れたように、この路線は混迷を極めている。アイコンテーラーがその状況に断を下すことができるのか、今後の路線展開に注目が集まる。

取材・文大貫師男

写真築田純、早川範雄(いちかんぽ)

Comment

松山弘平騎手

嬉しいですし、僕に任せてくださった関係者の方々に感謝しています。キックバックは得意ではないかなと思っていたので、スムーズに自分の競馬をしたいなと考えていました。道中は2番手で流れに乗れましたし、手応えもよく、追ってからも離してくれましたので、非常に強かったなと思います。

河内洋調教師

やっと勝つことができましたね。馬の状態は良かったので、なんとか頑張ってくれと祈っていました。いつも好位から競馬できているので、今回も流れに乗って砂をかぶらないように行けたらいいなと思っていました。選択肢が広がったので、今後のローテは状態を見ながら考えるつもりです。