web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第34回ロジータ記念

早め先頭から前哨戦の雪辱
  2歳女王が3歳でも強さ見せる

3歳牝馬による地方全国交流重賞・ロジータ記念。南関東S1にふさわしく全国から強豪が集った。

1番人気は、前哨戦・サルビアカップを8馬身差で勝利したマテリアルガール。浦和・桜花賞馬メイドイットマムが2番人気。3番人気は石川ダービーなど重賞で7勝している金沢の女傑ショウガタップリ。離れた4番人気は東北優駿など7つのタイトルを獲得している岩手の女傑ミニアチュール。

サルビアカップでは休み明けで斤量57キロを背負い、マテリアルガールに8馬身差をつけられ2着だったメイドイットマムが、意地とプライドを見せ巻き返した。

抜群のスタートを切ったメイドイットマムは、逃げるリコシェの2番手につけた。「本来なら2列目をベストの位置と考えていましたが、状態の良さもあってか、前回よりも楽にあの位置を取れたので、馬の気持ちに任せました」と本橋孝太騎手。

2周目の3コーナー手前では、3番手につけていたマテリアルガールが並びかけてきたが、これを振り切り、リコシェをかわして先頭に立った。直線では内目から脚を伸ばしてきたスギノプリンセスを突き放し、4馬身差をつける快勝となった。

3コーナー付近の攻防について本橋騎手は「マム自身が、『わたしはまだ行かないよ』という感じの気を出します。今日は少し促しただけでハミを取ってくれたので、急に(後ろから)来られても大丈夫だなという手応えでした。手前を替えてからもう一度反応してくれました」と振り返っていた。

NARグランプリ2022の2歳最優秀牝馬を受賞したメイドイットマムだが、今年は桜花賞を制した後、東京プリンセス賞3着、関東オークスJpnIIは地方最先着の4着と、勝ち切れないまでも、南関東の牝馬ではこの世代のトップとしての活躍が続く。

北海道時代に1000メートルのフレッシュチャレンジから、このロジータ記念の2100メートルまで、幅広い距離をこなしてきた。距離適性について石井勝男調教師は「東京2歳優駿牝馬(1着)の切れが良かったので、ベストは1600メートルくらいかなと思います。成長している段階で、これからまだまだ伸びしろはあると思っています」と話していた。

南関東で3歳限定の重賞はこれが最後。今後の具体的な予定は未定ということだが、古馬牝馬たちに挑戦していくことになる。

ショウガタップリは5着だった。「初めての馬場と左回りで戸惑っているようでした。道中は物見をしたり、コーナーでは外にふくれそうになったり、経験が必要だなと。それでも最後はいい脚で伸びてくれたので、これだけの相手によく頑張ってくれました」と吉原寛人騎手。

ミニアチュールは10着。山本聡哉騎手は「3番手からでも行けるような感じでしたが、2100メートルで無理に行っても厳しいと思い、あの位置(中団)になりました。遠征慣れもしていないですし、結果として大外枠も厳しかったです」とコメントした。

8月上旬から10月下旬まで怪我のために休養していた山本騎手は、南関東での騎乗は今年1月の佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ以来。また遠征などで、南関東でも元気な姿を見せて欲しい。

取材・文高橋華代子

写真築田純(いちかんぽ)

Comment

本橋孝太騎手

前走は休み明けに加え斤量57キロで、それでも逃げて頑張ってくれました。その疲れを心配していましたが、スタッフの方がケアをしてくれたお陰で、ものすごくいい状態でした。乗っていても安心できます。今日は筋肉のハリも非常に良かったので成長していますね。

石井勝男調教師

前哨戦は8馬身差をつけられているのでリベンジの舞台でした。一生懸命仕上げて、馬も応えてくれました。中間も攻めていってのプラス体重だったので、体調は良さそうだなと。自信を持って出しました。思ったよりも早めに先頭に立ったのでちょっと早いかなと思いましたが頑張ってくれましたね。