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第10回ラブミーチャン記念

人気に応え重賞連勝
  北海道勢が上位独占

ホッカイドウ競馬今季最終日のこの日、笠松競馬場で行われたラブミーチャン記念には北海道から3頭参戦。人気もその3頭が集めた。

単勝1番人気は1.8倍でヴィヴィアンエイト(北海道)。8月のフレッシュチャレンジを勝ち、重賞・フローラルカップはやや踏み遅れる展開になりながらも差して3着で、前走のブロッサムカップで重賞制覇を果たした。その2着モズミギカタアガリはその後、豪快な追い込みでエーデルワイス賞JpnIIIを勝ったことも、この馬の評価を押し上げた。

僅差の2番人気はシトラルテミニ(北海道)。こちらも前走・金沢シンデレラカップで重賞制覇を果たしている。向正面に入ってすぐ仕掛ける早めの競馬で押し切り勝ち。2走前の園田プリンセスカップでも2着と小回りコースへの適性の高さも窺えた。

そして金沢シンデレラカップで2着だったバラライカ(北海道)が少し離れた3番人気。騎乗予定の渡邊竜也騎手は当日の第3レースで先頭を走っていたところ、3コーナーで落馬。負傷のため今井貴大騎手に騎乗変更となった。なお、渡邊騎手の容態について所属厩舎の笹野博司調教師は「顔面に骨折などはありますが現在は歩けており、今日は一旦退院することになりました」と話した。

ネクストスター笠松組や、JRA未勝利から移籍初戦の前走を完勝したタイセイマロンなどもいたが、単勝人気同様、レースは北海道所属の3頭が中心となった。

好スタートを切ったのは地元のアコー。しかしすぐにコーナーを迎える笠松1600メートルとあって、内有利。同様に好発を決めた内のヴィヴィアンエイトやバラライカ、そしてその2頭の間のシトラルテミニもポジションを主張した。そのため、1周目の4コーナーは4頭が横一線。1~2コーナーでアコーは位置取りを下げ、北海道の3頭が後続を引き離していく。

3コーナーでムチが入るといつものように尻尾をブンブン振るバラライカを尻目に、ヴィヴィアンエイトが徐々にリードを広げて勝利。2馬身差2着にシトラルテミニ、5馬身差の3着にバラライカだった。

「今日、初めて笠松競馬場に来たんです」と喜んだのは馬主の渡邉文子氏。ヴィヴィアンエイトが所有馬第1号だそうで、齊藤正弘調教師は「半姉アニモミホもうちの厩舎にいて、昨年の金沢シンデレラカップに出走する頃だったこともあって、オーナーにお勧めして購入いただきました」と、北海道セプテンバーセールで落札に至った。

その半姉に金沢シンデレラカップで騎乗していたのが、ここでも手綱をとった岡部誠騎手。齊藤調教師は騎乗依頼の経緯について「盛岡のプリンセスカップとここと両方に選ばれたんですが、ワンターンよりも笠松コースの方が持ち味が生きると思い、ここに決めました。その時点ですぐに岡部騎手に依頼をしました」と話した。

今後についてはグランダム・ジャパン2歳シーズンの最終戦・東京2歳優駿牝馬が選択肢に入る。ただ、「他地区枠は何頭だったかな?と門別の調教師同士でも気になって話していて、出走できなければ休養して来シーズンにまた門別で、とオーナーとは話しています」とのこと。これからホッカイドウ競馬はオフシーズンに入るが、屋内坂路を活用して鍛えられる予定だ。

なおグランダム・ジャパン2歳シーズンのポイントでは、2着の9ポイントを加算して33ポイントとしたシトラルテミニが最終戦を前にトップに立った。

取材・文大恵陽子

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

岡部誠騎手

可愛い顔をしていて、返し馬で「これなら力を出せれば負けないだろう」と感じました。調教師とも相談して、内枠なので気持ちよくハナを主張しました。さすがにペースが厳しかったですけど、最後はこの馬の力でねじ伏せたという表現がぴったりなレースでした。まだ成長できる部分が多い馬だと思います。

齊藤正弘調教師

坂路での追い切りもいい内容で、馬体重はマイナス1キロと輸送も上手くこなしてくれました。この日の早いレースを見ていても前有利で、無理に下げる必要はないなと思っていました。持ち味はしぶとさで、今日のレースで「行ってヨシ、溜めてヨシ」ということも改めて分かりました。