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カイロス


高橋華代子

2023.11.20 (月)

「気になるあの馬はカイロス」

10月29日の高知1Rで、マルロス(2歳牡馬)が逃げ切り勝ちを収めました。

父は福山と南関東、高知に所属し、通算29勝(重賞6勝)をあげたカイロス。母は高知所属として通算21勝(重賞9勝)し、NARグランプリ2018では4歳以上最優秀牝馬を受賞したディアマルコ。たくさんの人たちの夢や希望、願いが込められた愛の結晶です。

両馬を管理していた那俄性哲也調教師&主戦の佐原秀泰騎手がタッグを組んでのドラマチックな勝利。父母ともに記念すべき産駒初Vをあげました。

 そんなカイロスが2013年に最後の福山ダービーを勝ってから10年。現役引退後はサウスヴィグラスの後継種牡馬として、北海道の新冠にあるサンローゼンさんで過ごし、種付け時は同じ町内になる白馬牧場さんに移動して行っているそうです。

 今年13歳のカイロスの近況について、サンローゼン代表取締役の長浜謙太郎さんに伺いました。

 「この夏は北海道も暑く体調を崩す馬もいましたが、カイロスは元気に過ごしました。性格は穏やかとは言えないですが、かと言って悪さをする訳でもなく、見学者が来ると近寄って愛想を振りまくので、ファンの方は喜んでくれます。ファンの方から頂いたニンジンは大好物のようですよ。いつも欠かさず会いに来てくれるファンの方をはじめ、気にかけて頂いている皆様には感謝しています。ありがとうございます」(長浜さん)。

 カイロスが大井時代に所属していた佐野謙二厩舎には、娘のカステラ(母ワタリラッシュ)が初勝利に向けて頑張っています。一度も掲示板を外さずに安定して走れているのも立派です。

 カイロスは今年も種付けを行い、来シーズンも種牡馬として頑張る予定とのこと。「数は少ないながらも縁を紡ぎながら活躍馬を送り出して欲しいですね」。

 なお、牧場には繁殖牝馬や当歳馬、1歳馬、功労馬もいるそうですが、カイロスはどの馬たちよりもハスキーないななきをするそうです。そんな素顔もぜひ覗かせて頂きたいですね。牧場見学については、ふるさと案内所のホームページで確認してください。 

 福山競馬場の最後の怪物は、北の大地で後世に血を残す大切な役割を担っています。

高橋華代子(たかはしかよこ)

元NHK山形放送局キャスター。現在は南関東競馬を中心に取材活動中。
<掲載媒体>
・南関魂
・TCKホームページ
・楽天競馬
・WEBハロン
・馬事通信
・netkeiba.com
・ターファイトクラブ会報誌
・SPAT4ザ・ウィナーズ など