逃げ先行でJRA騎手が3連勝
2着は3戦とも地元南関東勢
2023年のヤングジョッキーズシリーズ・ファイナルラウンドは12月14日・川崎競馬場、16日・JRA中山競馬場で行われる。全国各地で行われたトライアルラウンドで上位ポイントを獲得した地方とJRAの騎手が東西各4名ずつ16名がファイナルに進出。川崎では3戦のうち各騎手2戦ずつ騎乗することとなった。
関東圏にある競馬場ということもあり、西日本の騎手は地方・JRA計8名中6名が川崎初騎乗。大畑慧悟騎手(愛知)は「兄弟子の丸野勝虎騎手から『直線は長いけどコーナーが急で3コーナーは外に振られるから気を付けて』とアドバイスをいただきました」と話したように、各騎手は川崎特有のきついカーブを意識していた。
そうした中、開幕戦ともなる第1戦を勝ったのは川崎初騎乗の田口貫太騎手(JRA)。「馬が強かったのひと言です」と、単勝1.1倍の断然人気に応えた。田口騎手はJRAでも単勝1番人気での勝率が54.2%と非常に高く、それをここでも発揮した。レースはスタートこそひと息だったが、3番手外につけると、4コーナーで先頭に並びかけて5馬身差で完勝。
2着に菅原涼太騎手(大井)。道中はロスなく運び、直線で「今開催で伸びる場所」と地元関係者が話す、内から4~5頭目を伸びた。さらに2馬身差の3着に「勝ち馬の後ろにつけましたが、勝負所から置いていかれました」と横山琉人騎手(JRA)、4着は永野猛蔵騎手(JRA)、5着に地元の新原周馬騎手だった。
第2戦は確たる逃げ馬不在とも思えるメンバー構成。そうした中、大井時代は先行することが多かった馬に騎乗した永野騎手が外枠から先手を取ると、2000メートルという距離もあってかスローペースで進んだ。2番手外でグッと手綱を抑えていたのは大木天翔騎手(大井)。3コーナーで先頭に並びかけて一旦は前に出たが、直線で盛り返した永野騎手が追い比べをクビ差で制した。
5馬身離れた3着は4、5番手で運んだ松本大輝騎手(JRA)で、4着・横山騎手、5着・新原騎手。そして「ジョッキーベイビーズで一緒に乗っていた佐藤翔馬騎手のお父さん(博紀調教師)の厩舎の馬」というつながりのあった角田大和騎手(JRA)は6着だった。
「砂を被らない位置に行こうと思っていて、4コーナーまでもう少し我慢したかったです。交わせる勢いでしたが、最後は交わしきれませんでした」と2着の大木騎手は悔しい表情。
一方、勝った永野騎手が多くの報道陣に囲まれて取材を受けていると、その輪にこっそり入ってきたのは同期の小沢大仁騎手(JRA)、松本騎手、角田騎手だった。「(永野騎手が)勝った後、1コーナーで『おっしゃー!』と言っていて腹が立ちました」と笑いを取ったのは松本騎手。これには自分自身への悔しさも含まれていて、「もったいないレースをしてしまい、申し訳ない気持ちが大きいです。3番手につけるか迷って、1列下げて様子を見ることを選びましたが、楽に前に行った馬に勝たれました」と、スローペースと自身の判断に悔し涙を飲んだ。
第3戦は3番手外から力強く抜け出した秋山稔樹騎手(JRA)が1馬身差で勝利。3回目のファイナル出場(21年は中山ラウンドのみ出場)で初勝利を手にした。2着に最内枠から逃げた野畑凌騎手(川崎)が粘り、さらに1馬身差の3着に好位から運んだ小沢騎手、4着・大畑騎手、5着・大木騎手だった。
1日目を終えて1位は永野騎手で42ポイント。2位・田口騎手38ポイント、3位・秋山騎手31ポイントと、3戦のそれぞれ勝利騎手が上位に名を連ね、地方では4位・大木騎手の30ポイントが最上位となった。
「僕、明後日大丈夫かな……」と不安を漏らしたのは長尾翼玖騎手(兵庫)。2戦とも7着で見せ場を作れぬまま終えていた。それに対して同期の岡遼太郎騎手(高知)は9着・8着ながらどこか晴れやかな表情。というのも、一昨年はファイナルに出場しながら1日目の大井第2戦で落馬し、JRA中山競馬場での騎乗が叶わなかったのだが、「今日は無事に川崎での騎乗を終えられました」という理由だった。「所属の中西達也調教師に小檜山悟調教師(JRA)から連絡があって、『馬主の許可をいただければ中山でエキストラ騎乗をお願いしたい』とおっしゃってくださっているそうなんです」と笑顔。中山第3レースで1鞍予定されている。
取材・文大恵陽子
写真築田純、岡田友貴(いちかんぽ)
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第2戦1着 永野猛蔵騎手(JRA)
返し馬で、自分のペースでリードを取った方がいいと感じ、外枠からポンと出られたのでハナに行きました。前半はどスローで行けて、2番手の馬も来ていたので2周目3コーナー付近から溜めすぎずに行きました。直線で手前を替えて前に出てくれました。中山でも頑張りたいです。

第3戦1着 秋山稔樹騎手(JRA)
中団からという指示だったので、スタンド前は「先生、すみません」と思いながらも、落ち着いて今できる自分なりの競馬を、と思いました。ファイナルで勝ててポイント獲得以上に嬉しいです。今年の栗東滞在時に勝たせてもらったテーオーレガシーに中山第2戦で乗れるので、馬の力を全力で発揮させたいです。












第1戦1着 田口貫太騎手(JRA)
ゲートで少し遅れましたが強気で出して行き、3番手を取れてスムーズに走ってくれました。前の馬に余力がありそうだったので早めに捕まえに行き、抜け出して1頭になってもしっかり走ってくれました。川崎はコーナーが急なので膨れないように気をつけました。この後もポイントを加算したいです。