web furlong ウエブハロン

地方競馬のオンライン情報誌ウェブハロンPresented by National Association of Racing

Copyright(C) 1998-NAR.All Rights Reserved.

第21回佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ

初出場横山騎手が満点優勝
  急遽出場の矢野騎手が2位

21回目を迎えた佐々木竹見カップジョッキーズグランプリは、通算7153勝をあげ“鉄人”と呼ばれた川崎競馬の至宝・佐々木竹見元騎手を讃え創設された川崎競馬の名物レース。今年も全国からトップジョッキー14名(地方12名・JRA2名)が集結した。初出場は橋本直哉騎手(浦和)、飛田愛斗騎手(佐賀)、横山武史騎手(JRA)、松山弘平騎手(JRA)の4名。なお、村上忍騎手(岩手)が疾病のため、繰り上がりで矢野貴之騎手(大井)が出場することとなった。

この時期にしては気温が高く青空の広がる競馬日和。騎手紹介式には平日の昼間にもかかわらず多くのファンがウィナーズサークルに集まり、ジョッキーたちに声援を送っていた。恒例となっている騎手候補生によるプレゼント贈呈では、地方競馬教養センター105期生が登場し、初々しい姿を見せた。

佐々木竹見さんに今年のメンバーの印象を聞くと「若い騎手もずいぶん出てきてがんばっていますよね。こうやって変わっていかないとね」と。そんな若手の中でひと際注目を集めていたのが飛田騎手だ。2023年は、長年佐賀競馬のトップに君臨していた山口勲騎手の牙城を崩し、デビュー4年目でリーディング1位を獲得。「去年は(山口)勲さんがケガで乗れない時期があったのでトップになれたようなものです。でも勲さんには、『おめでとう』と言っていただきました。今日はたくさん勉強していきたいと思います。川崎競馬は2回目ですが、初めての時は左回りにとまどったので今回はその経験をふまえて騎乗したいです」。また、「緊張していますか?」の問いには「していません、普段通りです」と、はにかみながらも肝の据わった雰囲気が感じとれた。

第1戦は1500メートルで争われたマイスターチャレンジ。予想通り吉原寛人騎手(金沢)が先手を取り、大外枠から横山騎手が積極策で2番手につけた。この2名が後続をやや離してレースを引っ張り縦長の展開。3~4コーナーでは森泰斗騎手(船橋)が前に並びかけ、直線の攻防へ。横山騎手が吉原騎手を競り落とすとそのまま粘り切って勝利を飾り50ポイントを獲得した。中団につけていた矢野騎手と、後方追走の松山騎手が直線で並んで追い込み、半馬身先着した松山騎手が2着で38ポイント。3着の矢野騎手が33ポイントを獲得した。

第2戦のヴィクトリーチャレンジ(1600メートル)は1番人気に推された横山騎手の独壇場だった。「期待以上にスタートが速かったですね」と好スタートを切った横山騎手は、向正面では後続を3馬身ほど離して軽快に逃げた。懸命に追い上げようとするライバルたちをしり目に最後は5馬身突き放して快勝。横山騎手は大きなガッツポーズで喜びを爆発させた。2着は後方からレースを進め直線でいい末脚を見せた笹川翼騎手(大井)。3着には向正面から上がっていきしぶとく伸びた吉村智洋騎手(兵庫)が入った。

この結果、史上初の2戦2勝で100ポイントを獲得した横山騎手が初出場で優勝。2位は、3着・5着で55ポイントの矢野騎手。3位は6着・3着で49ポイントの吉村騎手となった。

表彰式では「よっしゃー!」と大きく万歳をして笑顔があふれていた横山騎手。賞金200万円の使い道を聞かれると「お世話になっている方々と美味しいものを食べにいきたいです。父(07年総合2位の横山典弘騎手)は何に使ったか分かりませんが僕はより良い使い方をしたいと思います(笑)」とファンを笑わせた。そして最後まで丁寧にサインや写真撮影に応じていた姿がとても印象的だった。

現在25歳、デビュー8年目の横山騎手は、20年に史上最年少の22歳でJRA関東リーディングを獲得。ここまでGI・6勝をあげており、23年はJRAリーディング3位(関東1位)と、いまや人気も実力も兼ね備えたJRAを代表する騎手だ。「色んな方の思いが積み重なって競馬は成り立っているので、2戦目のガッツポーズはそれを代表した喜びでした。地方の方々と乗る機会はあまり多くないので、こういう経験を取り入れて、今年の騎乗につなげていきたいです」と若き名手は24年の活躍を誓った。

今年も大いに盛り上がった佐々木竹見カップジョッキーズグランプリ。佐々木竹見さんは「みんなうまくなっているなぁ。がんばっているね」と目を細めた。来年のこの日は、どんなメンバーが集まり、どんなレースが繰り広げられるのか楽しみにしながら、24年も全国の騎手たちを応援していきたい。

取材・文秋田奈津子

写真岡田友貴(いちかんぽ)

Comment

総合優勝 横山武史騎手(JRA)

1戦目は過去の映像を見て初速があまり速くない馬という印象でしたが二の脚で挽回してくれました。最後は苦しくなったけど頑張ってくれました。2戦目はスタートが速い馬だったので自分が馬の力を阻害しなければ、と思っていました。距離が不安だと陣営と話していましたが強い競馬をしてくれました。

総合2位 矢野貴之騎手(大井)

(第1戦は)前走騎乗したことのある馬に当たって運が良かったですね。レース内容も良かったですし、自分でも上手くさばけましたし1度乗ったことのあるアドバンテージを上手くいかせました。総合2位は純粋に嬉しいです。今年はリーディングを狙わないといけない立場だと思っているのでがんばります。

総合3位 吉村智洋騎手(兵庫)