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第51回佐賀記念JpnIII

4コーナー先頭から4馬身差
  同舞台のJBCへ視界開ける

ダート競走の体系整備で、川崎記念JpnIが4月に、名古屋大賞典JpnIIIが12月に移設されるなど、昨年まで1~3月に行われていたダートグレードには多数の変更があったが、佐賀記念JpnIIIの時期・条件は変わらなかった。そのため地方での古馬中距離ダートグレード(牡牝混合)としては年明け初戦となり、春の中距離GI/JpnI路線へのステップとしての位置づけが明確となった。

それに加え、2024年はJpnIのJBC3競走が佐賀競馬場で開催される。JBCクラシックJpnIと同舞台で行われる佐賀記念JpnIIIの注目度が高まり、JRAからは22年ジャパンダートダービーJpnI勝ちのノットゥルノ、牝馬限定重賞を4勝しJBCレディスクラシックJpnIで22、23年と連続2着のグランブリッジ、重賞未勝利ながら昨年のジャパンダートダービーJpnI・2着のキリンジ、地方馬も昨年アメリカ遠征しサンタアニタダービーGI・2着のマンダリンヒーロー(大井)と、GI/JpnIで上位実績のある強豪馬が秋を見据えて集結。佐賀からは中島記念勝ちのヒストリーメイカーらが迎え撃つ構図となった。

これだけの好メンバーが揃ったうえ、3連休最終日で好天に恵まれたこともあり、当日来場者は5300人を超え、第1レース発走前から場内は賑わいを見せていた。また佐賀競馬の1日・1レースの売得金レコードも更新と、JBCの成功へ向け弾みとなった1日だった。

まずはマンダリンヒーローがハナに立ち、グランブリッジが2番手に付けるもメイショウフンジンが押して行って先頭を奪い、1周目3コーナーでJRA5頭にマンダリンヒーローが加わった先行集団が後続を引き離していく展開に。

ノットゥルノが2周目3コーナー手前から外を通って前を捉えにかかり、4コーナーで先頭を奪うと場内からは大歓声が湧きおこり、直線でも危なげなく差を広げ、2着キリンジに4馬身差を付けて勝利。クビ差にメイショウフンジン、1番人気のグランブリッジはさらに半馬身差の4着だった。5着にはファルコンウィング(愛知)が入り、JRA馬の掲示板内独占は阻止したものの、4着とは2秒4の大差。佐賀最先着は6着のタガノファジョーロだった。

ノットゥルノはジャパンダートダービーJpnIの勝利以降は東京大賞典GI(22年)やJBCクラシックJpnI(23年)での2着があったが勝ち星がなく、今回が重賞2勝目。近走未勝利と59キロの負担重量が嫌われ2番人気に甘んじたが、不安を全く感じさせない圧勝劇だった。鞍上の武豊騎手は佐賀記念GIII/JpnIII・6勝目で最多勝を更新したが、前回の勝利は11年のメテオロロジストで13年ぶり。サマーチャンピオンJpnIIIなどを含めても17年以来の佐賀での勝利となり、人馬ともにJBCへの手ごたえを掴んだ。

取材・文上妻輝行

写真桂伸也(いちかんぽ)

Comment

武豊騎手

スタートがあまり良くなかったので、周りの馬を見て行こうかなと思って進んでいました。2周目に入っても抜群の手応えだったので、久しぶりにこの馬らしい走りだなぁと。JBCが佐賀ということで、どういう走りができるかな?と思って乗っていたので、必ずJBCに帰ってきたいと思います。

田中維就調教助手

今年JBCが佐賀で行われるということで試走しようかと、今年の始動戦はここにしようと、先生(音無秀孝調教師)とオーナーが話をされていました。コーナー6回まわる2周の競馬に不安はあったのですが、調教で2周乗って(レースを1周で)止めないように調整したこともあり今回は楽勝でした。