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第1回ブルーリボンマイル

人気馬を振り切り3馬身差
  GDJを視野に重賞初勝利

2024年からグランダム・ジャパン(GDJ)の古馬シーズンが“春”と“秋”に実施されることになり、笠松のブルーリボンマイルが春の対象レースとして新設された。出走馬は10頭で、他地区から3頭が遠征してきた。

しかし単勝1番人気に支持されたのは愛知のコンビーノ。前走は無敗で東海ダービーを制したセブンカラーズの前に2着だったが、そのセブンカラーズは翌週の若草賞土古記念に出走する予定だ。それならここで初めての重賞制覇が可能だろうというファンの予想は、単勝1.9倍という数字に表れた。

続く2番人気は大井のグレースルビーで3.0倍。発表された馬体重は前走からマイナス11キロで、パドックに入った当初は頭を上げたり顔をあちこちに向けたりしていたが、2周目からは落ち着いた歩きになった。

大井のジュランビルは4.5倍で3番人気。こちらも前走からマイナス12キロと発表されたが、黒光りした馬体で堂々とした雰囲気を見せていた。北海道のウワサノシブコは9.7倍で4番人気。力強さが感じられる歩様で周回を続けた。

レース当日は午前中から冷たい雨が降り続くコンディション。第8レースで良馬場から稍重へと発表が変わったが、各騎手は前日よりインコースを空けていた。

そういった馬場状態に他地区所属の騎手がどう対応するかは大きなポイント。ゲートが開くと大井の2頭が好スタートを切り、最初のコーナーワークでグレースルビーが先手を取った。対するジュランビルの鞍上は笠松リーディングの渡邊竜也騎手。すぐさま追い上げて併走する形を取ったため、グレースルビーは砂が深い内に押し込まれた。それでも1~2コーナーでは再びコーナーワークで先頭に立った。

しかし向正面に入ると前2頭が再び併走状態に。その争いにウワサノシブコも加わったが、3コーナーでグレースルビーが振り切って先頭へ。コンビーノが徐々に上昇して4コーナーで2番手に上がると塚本征吾騎手はその後も激しく追い続けた。しかしその差は詰まらずグレースルビーが3馬身差で逃げ切った。

ウワサノシブコは2着から4馬身差の3着で、ジュランビルは4着。5着は愛知のキャットリングで、笠松所属馬5頭は6着以下だった。

勝ったグレースルビーは、クイーン賞JpnIIIの5着で10ポイントを獲得しており、グランダム・ジャパンのポイントでは今回の15ポイントを加え、表彰対象の地方馬でトップに立った。ただ、優勝するための戦略は課題。グレースルビーとジュランビルは9日後に実施される若草賞土古記念にも登録がある。

残念だったのは2着のコンビーノで、通算5度目の重賞2着。「いつも何か1頭、前にいるんですよね」と、レースを終えた塚本騎手は意気消沈といった表情だった。

ウワサノシブコは「道中での気持ちの入り方がもうひとつでした」と、桑村真明騎手。ジュランビルは渡邊竜也騎手が「向正面でコンビーノが来たときに脚を使った分、最後に響いた感じです。それでも休み明けと考えればよく踏ん張ったと思います」と振り返った。

取材・文浅野靖典

写真宮原政典(いちかんぽ)

Comment

達城龍次騎手

前日のレースを全部見てインコースが重いことを頭に入れていましたが、今日は昨日より内を空ける必要がありましたね。1コーナーでは横にジュランビルがいたのでインを通らされましたが、向正面からはいい位置で進められました。7歳でも走りが若いですね。パドックでの動きも良かったと思います。

堀千亜樹調教師

グランダムのポイントを取りに来ました。でも出発したときと比べると、体重の減りが発表された数字以上。長距離輸送はあまり良くないのかもしれないですね。今後はその点をどうするか考える必要がありますが、優勝を目指すためにうまく調整していきたいと思います。