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第29回ユニコーンステークスGIII

後方から一気のマクリで3連勝
  右回りも克服し東京ダービーへ

ユニコーンステークスGIIIは、今年から舞台を東京ダート1600メートルから京都ダート1900メートルに移し、ダート三冠のJpnIとなった東京ダービーの前哨戦として生まれ変わった。

ダート三冠にJRA所属馬が出走するには前哨戦で優先出走権を獲得することが近道で、当レースでは2着以内のJRA馬上位1頭に東京ダービーJpnIへの優先出走権が与えられる。それを目指す馬たちは多士済々のハイレベルな顔ぶれとなった。

人気上位は3勝馬とダート無敗馬。そのうちの1頭ラムジェットは、道中は後方を追走しながらも、直線での目の覚めるような末脚が武器だ。出走馬中唯一3勝を挙げるが、単勝7.3倍の3番人気。3勝はいずれも左回りで、加えて今回は距離延長で初のコーナー4回など未知な部分がやや人気を下げたのかもしれない。

では1番人気はというと、デビューから2連勝中のミッキーファイト。のちの雲取賞JpnIII勝ち馬ブルーサンを相手に前走で5馬身差をつけて勝った。この馬も雲取賞JpnIIIやヒヤシンスステークスが選択肢に入れられたが、状態が整わず今回が4カ月半ぶりの実戦。それでも2.8倍に支持された。そして差がなく2.9倍の2番人気はダート転向後、圧巻の2連勝中のムルソーと、いずれもダートで底知れぬ強さを見せている馬たちに注目が集まった。

大井競馬場から東京トゥインクルファンファーレが駆けつけ、生演奏のファンファーレで幕を開けた。

戦前、「怖がりな面があり、先手を取りきれなかったらどうなるか」と松永幹夫調教師が不安点を挙げたカゼノランナーが外枠から好ダッシュでハナを切った。逃げて連勝中のムルソーはゲート内でゴソゴソして一歩目がやや遅れて3番手から。

向正面に入ると、定位置の後方にいたラムジェットが徐々にポジションを上げ、鞍上の懸命なアクションに応えて3~4コーナーで大外からグングン脚を伸ばすと、2馬身半差で勝利を手にした。

三浦皇成騎手が終始追い通しではあったが、着差以上の強さを感じる走りで、他陣営からも「めちゃくちゃ強いな」との声が漏れた。検量室前に戻ってきて佐々木晶三調教師に向かって笑顔でサムズアップを作った三浦騎手は「今回はこの馬にとって色々試される条件と思っていましたが、まずは無事に走りきってくれてよかったです」と爽やかに話した。

2着はサトノエピックで、3着はミッキーファイト。4コーナーでは各馬がタイトに回る中、ミッキーファイトは前が壁になり、直線を向いてもなかなか道を見出せなかった中、健闘と言えるだろう。

勝ったラムジェットは優先出走権を得た東京ダービーJpnIに向かう見込み。初の大井競馬場は右回りで砂質もJRAとは異なるが、佐々木調教師は「どちらかと言うと左回りの方が得意だと思いますが、今回、右回りで走れたのもよかったと思います。馬場は湿った方がキレるように感じますが、どちらにしても同じ走りを見せてくれるでしょう。普段はボーッとしていますが、走り出すと全身を使ったいい走りをして、まだ底を見せていません」と見通しを語った。三浦騎手も「今後、ダート界を引っ張っていく馬になってほしいと思っています」と大きな期待を寄せた。

ヒヤシンスステークス勝利後にはケンタッキーダービーGI挑戦プランも上がった同馬。出走ポイントが足りず、目標を切り替えることとなったが、ダート三冠初年度に大きな風を吹かせるかもしれない。

取材・文大恵陽子

写真桂伸也(いちかんぽ)