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第52回北海優駿

スローの逃げでライバルを完封
  成長途上ながら秋へ期待の勝利

2歳秋のサンライズカップでの初対戦からほとんど同じ路線を歩み、今回が5度目の対戦となるブラックバトラーとパッションクライ。新たなダート三冠を目指して遠征した京浜盃JpnIIではともに下位に敗れたことで、地元の三冠に舵を切った。

一冠目の北斗盃は、2番手から3コーナーでパッションクライが先頭に立って直線を向いたが、道中縦長の6番手からまくってきたブラックバトラーが並ぶ間もなく交わし去って勝利。追ってきたミソが2着で、パッションクライは3着に敗れていた。

必ずしも得意の条件とはいえない内回り1600メートルを勝ったこともあって、今回はブラックバトラーが単勝2.3倍で1番人気にはなったが、パッションクライも2.6倍で、2頭が人気を分け合った。

4コーナーポケットからスタートする2000メートル戦は、主張する馬がなく、自然な形でパッションクライが先頭に立った。唯一他地区から参戦した大井のジャガーバローズが2番手につけ、隊列は徐々に縦長になり、ブラックバトラーはいつものとおり後方に位置した。

パッションクライは1~2コーナーを回るあたりからペースを落として、1000メートル通過が65秒2というスローペース。3コーナー手前でミソが動いて先団まで進出し、3コーナーからはオオイチョウがまくっていったが、ともに前をとらえるまでには至らず。

じっくり脚を溜めることができたパッションクライは、4コーナーで鞍上の桑村真明騎手がここぞとばかりに気合を入れると、直線を向いて一気に後続との差を広げた。一方のブラックバトラーは北斗盃同様、3コーナーから一気のまくりを見せ、直線でも自慢の末脚を繰り出し差を詰めてきた。しかし最後の2ハロンで13秒1、12秒3という脚を残していたパッションクライが1馬身半差で振り切った。

「4コーナー手前までずっと楽ができたので、直線では絶対はじけてくれると思いながら一生懸命追っていました」という桑村騎手は、前年のベルピットに続く連覇で、北海優駿5勝目とした。

管理する山口竜一調教師は、“ダービー”ということでは、騎手として宇都宮(2005年3月廃止)時代に北関東ダービー(とちぎダービー)を4勝、北海道移籍後、“ダービーウイーク”の“札幌ダービー”として行われた北斗盃(06年)をフジノダイヒットで制していたが、北海優駿は騎手時代から通じて初勝利となった。

サンライズカップ以来の勝利で重賞2勝目となったパッションクライの次なる目標は三冠目の王冠賞(8月1日)になるが、「まだ成長途上で、馬にとって今は一番走れない時期だと思います。それでも地力がありました。これからどんどん良くなっていくと思うので、外にも出て行かないと」(山口調教師)という先には、不来方賞JpnIIやジャパンダートクラシックJpnIも視界にあるようだ。

馬連複2.7倍という人気を集めた2強での決着にはなったが、遠征を重ねて力をつけたオオイチョウが直線一旦は2番手という場面があって3着に好走。キャリア3戦ながら3番人気に支持されたスティールドリームが4着。北斗盃2着だったミソは早めに勝負にいったぶん5着。これらの馬たちも、王冠賞に向けてさらなる成長があれば、2強に割って入る場面も期待できそうだ。

取材・文斎藤修

写真浅野一行(いちかんぽ)

Comment

桑村真明騎手

行く気を見せる馬がいなかったし、パッションクライもその気になっていたので無理に抑え込まずに折り合いをつけてという感じで乗っていたらハナになりました。向正面に入ってからは力みなく運べたのでよかったです。一冠目は残念な結果でしたけど、次の三冠目も獲れるようにがんばっていきたいです。

山口竜一調教師

他の馬がもっと攻めてくるかと思っていたんですが、スローペースで楽に運べた感じがします。本来なら坂路で脚元に負担がかからない調教をしたほうが馬のためにはいいんですけど、白い砂に慣れさせるため、あえてコース主体で調教をやってきました。まだ成長途上で、良くなるのは秋以降だと思います。