ダッシュを決めて逃げ切る
地元の強敵相手にリベンジ
グランダム・ジャパン(GDJ)古馬秋シーズン第4戦は金沢の読売レディス杯。第2戦・兵庫サマークイーン賞を制したハクサンアマゾネスにとっては地元凱旋出走でもあり、自身の持つ地方競馬の平地重賞最多勝記録更新も期待され、単勝1.4倍と断然の支持を集めた。ただ金沢1500メートルは出遅れなど不安材料があることは、かねてから加藤和義調教師からも語られているとおり。その不安は現実のものとなった。
勝ったのは、高知から遠征のアンティキティラ。今年は4月に佐賀ヴィーナスカップを制し、前走兵庫サマークイーン賞でもハクサンアマゾネスの2着と遠征で結果を残していたが、戦績には大きな着順もあってあまり人気になることはなく単勝13.0倍の4番人気。互角のスタートから多田羅誠也騎手が気合を入れて逃げると、2番手で追ってきた大井のボヌールバローズに3コーナー過ぎで一旦は完全に並びかけられたものの、直線ではこれを振り切って先頭でゴール。この日のパサパサの馬場は逃げ残りが目立ち、他の有力馬より内目の枠に入って思い切って逃げたことでも結果につながった。
あらためて遠征で強いところを見せたが、それはアンティキティラに限ったことではなく、“高知の馬は遠征で強い”というのも近年の印象だ。その理由を問うと、「高知の深い砂で走っているからでは」と、別府真司調教師、多田羅騎手ともに口を揃えた。
1馬身差で2着には、6番人気ながら船橋のサーフズアップが入った。直線での伸びは目立ったが、3~4コーナーで置かれてしまうところがあり、そのぶん短い直線では届かず。昨年の東京プリンセス賞では3番手からボヌールバローズを差し切って勝っていたように、直線の長いコースのほうが合うようだ。
3番手を追走したハクサンアマゾネスも直線外を伸びてはいたが、サーフズアップに半馬身差で3着。「1500メートルだと最初のスピードが足りない。アンティキティラに楽に行かれたら無理」と吉原寛人騎手。前走兵庫サマークイーン賞では、逃げて直線先頭だったアンティキティラを差し切っていたが、今回は距離短縮に加え、前述のとおり逃げ有利の馬場状態や展開など、さまざまにアンティキティラに味方した。吉原騎手の手綱で何度か逃げていたボヌールバローズが逃げるだろうと吉原騎手は想定していたようだが、今回は行く気を見せずアンティキティラに楽に逃げられてしまったことも、吉原騎手にとって誤算だったようだ。
2番人気のボヌールバローズは、3コーナー過ぎでアンティキティラに並びかけ、一瞬前に出るような場面もあったが、直線失速して4着。「逃げなくてもレースはできるので2番手でしたが、内を空けて走るのが走りづらくて手応えがなくなってしまいました。距離も少し長かったかな」と笹川翼騎手。
GDJ古馬秋シーズンは、表彰対象の地方馬では、アンティキティラが兵庫サマークイーン賞2着と合わせて24ポイントとなり、トップのキャリックアリード(大井)に1ポイント差で2位。次走は同シーズン第7戦、秋桜賞(9月5日・名古屋)に遠征予定とのこと。
取材・文斎藤修
写真宮原政典(いちかんぽ)
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別府真司調教師
高知では馬場が深いからかぜんぜん行けないんですが、(馬場が)軽いところに来るとポンと出てくれます。枠順からも逃げの指示をしていましたし、スタートはあまりよくなかったですが、ハナに立って理想的な競馬ができました。ハクサンアマゾネスを目標にここに来たので、勝てたことが一番の収穫です。








多田羅誠也騎手
前走から距離短縮は向きましたし、この馬のスピードを十分に生かせたと思います。先行馬が多かったので一列後ろでもいいかなと思いましたが、他の馬の出方を見ながら、思い切って逃げたほうがいいかなと思って逃げました。状態も維持したまま走れていますので、これからも勝ち続けていきたいと思います。