圧倒的人気にこたえ5馬身差
無敗のままアメリカ遠征へ
台風10号の位置は九州の南でも、その影響は北海道にも波及。門別競馬場は朝から雨で、猛烈な勢いになる時間帯もあった。そのため14時35分発走の第1レースから照明が入り、砂の上は全周にわたって水浸し。前半のレースでは各馬の蹄跡から水しぶきが上がった。
しかしその雨の勢いは徐々に弱化。メインレースのパドックに出走馬が入ってきたときは霧雨で、傘を使っている人は見当たらなくなった。そして馬場状態は不良のままでも、ホームストレッチから見える範囲内では水たまりが消滅。
単勝1番人気はデビューから6戦全勝のオーサムリザルトで1.1倍。2番人気は4月4日の兵庫女王盃JpnIII・3着以来となるサーマルソアリングで5.2倍。この2頭の馬連複は1.7倍と、完全な一騎打ちムードになっていた。
圧倒的な人気を集めたオーサムリザルトは、ここをステップにアメリカのブリーダーズカップ・ディスタフGIに進む予定と発表されていた。5月8日のエンプレス杯JpnIIとの比較でプラス11キロの馬体は威圧感が十分で、パドックで武豊騎手が乗ると気合が一変。その姿にオーサムリザルトを育成した三嶋牧場のスタッフは「ウチにいたときと変わらないですね」と感心していた。
一方、サーマルソアリングは前走からプラス16キロ。パドックでは小走りが続き、2人曳きでもなだめるのに苦労していた。レースではゲートが開くとすぐに2番手を取って進めたが、3コーナーあたりで手ごたえが悪くなり、勝ったオーサムリザルトから2秒5差の6着だった。
片やオーサムリザルトは、ブリンカー装着で最内枠のシダーが作ったペースに3番手で乗り、4コーナー手前で自然な形で先頭に。残り100メートルあたりからは武騎手が力をセーブさせるような動きをしての大楽勝は、まさに“回ってきただけ”と表現できる内容だった。
その姿を見届けた塩津有也調教助手は「オンとオフがしっかりしているのが長所。今日もパドックでチェーンビットを外した瞬間に気合が入りましたね」と満足そう。「精神的にも成長してきたと思います」と、まずは無敗を守ったことに安心していた。
5馬身差の2着には、4番手から流れ込んだデリカダが入線。1馬身差の3着には大井のドライゼが入った。北海道のサンオークレアは直線で追い込んだが、さらに4馬身差の4着だった。
ドライゼを管理する真島大輔調教師は「今、地方最先着だとボーナス(ダートグレード競走褒賞金)が出ることを初めて聞きました。馬場が大きい門別を選んでよかったです」と笑顔。そうなると佐賀競馬場のJBCに行くのかどうかが気になるが「佐賀は小回りでも内を開けるので悪くないとは思うのですが、あと2カ月という点が気になりますね」とのこと。ただ、選択肢としては考えているそうだ。
4着のサンオークレアは五十嵐冬樹調教師が「あっち(ドライゼ)は中央4勝で、こっちは(JRAで)未勝利だもんなあ。地方最先着を獲りたかったんだけど」と苦笑い。そして「この先も牝馬路線。次は新設の重賞(10月10日のグランシャリオクイーンズ)に行きます」と話した。
取材・文浅野靖典
写真浅野一行(いちかんぽ)
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塩津有也調教助手
以前は能力の高さに体がついてこないという感じでしたが、体幹が以前よりしっかりしたことで、そのあたりが解消されてきました。それでも今日の走りは余裕があったという感じでしたね。秋はアメリカに行く予定ということですが、まずは馬の様子を見て、そして目標に向かっていければと思います。









武豊騎手
まったく危なげないというか、いい手ごたえで走ってくれました。向正面で軽く促したらすぐに反応してあっという間に先頭に立ったのは、ちょっと早かったかな、という感じでしたが、最後までしっかり走ってくれて、まだ余力がありました。ここを勝てばアメリカにと聞いていましたし、秋が楽しみです。