一騎打ち制し東北優駿馬が復活
14年ぶり地元岩手勢に栄冠
グランダム・ジャパン2024古馬秋シーズン第6戦、ビューチフルドリーマーカップが盛岡競馬場で行われた。13年連続で他地区所属馬が優勝しており、今年も南関東から6頭、北海道から1頭が参戦してきた。
単勝1番人気はシリーズ第3戦のノースクイーンカップを快勝した大井のラブラブパイロで1.9倍。2番人気は左回りの2000メートルに実績ある浦和のマテリアルガールで4.0倍。昨年の東北優駿馬ミニアチュールが地元馬では期待を集め、4.4倍の3番人気で続いた。
ゲートが開くと各馬が窺いながらスタンド前を通過したが、ペースが遅くなりそうと見たマテリアルガールの山本聡哉騎手が前へと進出した。そのマテリアルガールと内のビジンが並んで先行し、3番手にミニアチュール。その後ろにティーズハクアがつけ、向正面半ばからラブラブパイロが上がっていった。
3コーナーで単独先頭に立ったマテリアルガールを抜群の手応えでぴったりマークしていたミニアチュールが直線に入って先頭に立つと、外から伸びたラブラブパイロとの一騎打ちに。後続を突き放しての2頭による激しい攻防となったが、ミニアチュールが半馬身差振り切って勝利を手にした。2着から7馬身差の3着にはマテリアルガールが入った。
ラブラブパイロの西啓太騎手は「周りの兼ね合いも含めて終始思い通りの競馬ができませんでした。それでも3着は離していますし、力は再確認できました」とコメントした。
「やったー!」と笑顔で戻ってきた佐々木志音騎手とミニアチュール。周囲から促されるようにウィニングランに向かい地元ファンの歓声に応えた。そして再び帰ってくると関係者が佐々木騎手を囲み「すごい、すごい!」と大喜びの祝福ムードに包まれた。
それもそのはずで、この勝利は、2010年マイネベリンダ以来、14年ぶりの岩手所属馬の優勝という大金星。ミニアチュール自身は約1年ぶりの重賞勝利という復活劇となったのだ。3歳時に重賞7勝をあげ、世代のトップホースに君臨したが、古馬との戦いになってからは苦戦が続いた時期もあった。「このまま終わりなのかなと思うこともありましたが、うまく立ち直ってくれました。短い距離を使ったことがきっかけにはなったと思います。今日は牧場さん(下河辺牧場)の血の繋がりも強く感じましたね」と佐藤祐司調教師は安堵の表情で語った。続けて、「交流レースを勝てたことで、不来方賞の瀬戸先生(フジユージーン)にもいい流れをバトンタッチできたかな」とほほ笑んだ。
好騎乗が光った佐々木騎手は「春先はあまり調子がよくありませんでしたが、使っていく毎に良くなっています。2000メートルもこなしてくれました。これからまだ良くなると思います」と振り返った。
次走はヴィーナススプリントを予定しているが、佐藤調教師からはその先の牝馬ダートグレードの話も聞かれ、この先がますます楽しみだ。
そして、ミニアチュールを勝利に導いた佐々木騎手はデビュー2年目での嬉しい重賞初制覇。自身の話になると「まだ緊張がありますが素直に嬉しいです。ゴール前は全く余裕がなかったです。まだまだこれからです」と初々しいはにかみ笑顔を覗かせた。今年はデビュー年の45勝をすでに上回りそうな勢いで活躍している佐々木騎手。ヤングジョッキーズシリーズでも注目を集めそうだ。
取材・文秋田奈津子
写真佐藤到(いちかんぽ)
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佐藤祐司調教師
行けるんだったらハナを切ろうと話していましたが、他の逃げそうな2頭の出方次第で控える競馬というのも志音が考えていてくれたと思います。弱気にならず強気に攻めて上手く乗ってくれましたね。もともと北海道では乗り難しいところがある馬でしたが、気性面で大人になってくれています。









佐々木志音騎手
逃げを考えていましたが、内の馬が速かったので2、3番手に控えました。道中も楽に運べました。3コーナーで並ばれそうになった時に気合をつけたら手応えが良かったのでこのまま行こうと思いました。最後まで油断はできませんでしたね。普段の調教もすごく動くし、素直で根性のある馬です。