ゴール前突き放し三冠目に名乗り
地元期待のフジユージーンは4着
不来方賞は岩鷲賞などと並んで岩手競馬で最も古い歴史と伝統ある競走で、今年は新たにJpnIIに格上げされた。ダート三冠目・ジャパンダートクラシックJpnIのトライアルともなり、1着馬に優先出走権が与えられる。
平日にも関わらず盛岡競馬場には3,258人のたくさんのファンが来場。最近は雨続きだったが当日は晴れて気温も上がり、東京から来場したファンは「盛岡も暑い」と言っていたほど。重馬場スタートだったが、徐々に馬場は乾いて稍重に回復。レースが進むにつれてコースの内をあける傾向が見られた。
目下3連勝の勢いあるカシマエスパーダが単勝1.8倍の1番人気、JRAクラシック路線を歩んだサンライズジパングが3.2倍の2番人気、岩手8戦無敗フジユージーンが5.4倍、レパードステークスGIII・2着サトノフェニックスが5.9倍で4頭が10倍を下回るオッズ。
カシマエスパーダがハナを主張すると、パッションクライ、サトノフェニックスが追走する形。サンライズジパングは2コ-ナーでは4番手、フジユージーンとタイセイミッションが直後につけ、バックストレッチでは先団は3馬身圏内に固まった。
残り600メートルからサンライズジパングが、カシマエスパーダにスッと並びかけた。
内目を開けながらカシマエスパーダ、その外へサンライズジパング、フジユージーン、ラチ沿いを回るサトノフェニックスと直線を向いて4頭の争い。逃げ込みを図るカシマエスパーダだったが、坂を登って一気に加速したサンライズジパングが3馬身差をつけて勝利。勝ちタイムは2分3秒2(12.7-11.3-12.4-12.8-12.9-12.4-12.5-11.6-12.4-12.2)。
サンライズジパングの武豊騎手は、「4コーナーだけ気を抜き進みが悪くなるので気をつけて乗った。前にいる馬を捕えれば後ろから抜かされないと思った。一言でいうと掴みどころない馬。コーナーワークは左回りのほうがいい。もろさもあるけど能力は持っているし、まだ伸びしろがある。乗り味いいキズナ産駒のフットワークのいいところがあり、それを出しきれれば、素質の塊でもっと強くなれると思います」。おとといレース名を知ったという武騎手はゼッケンにサインをする時に不来方賞のところに「ひらがなで『こずかた』と書きましょうか」と報道陣に笑いを誘って盛岡を後にした。
2着カシマエスパーダの田邊裕信騎手は、「スタートが安定せず周りの馬に包まれるよりはポンと出るようなら逃げて行きたいと考えていました。前半の入りからも理想の感じだったと思いますし、ジワジワ迫ってこられてジワジワ離されて最後は余力はなかったです。調教で左回りなので心配はしていなかったけど、2000メートルで積極的な競馬には少し不安はありました。奥手なタイプなのでこれからもっと力をつけてくると思います」
地方最先着の4着だった地元馬フジユージーンの瀬戸幸一調教師は、「東北優駿後に岩手・遠野でリフレッシュできて、つくところに筋肉がついてきた感じ。馬体もそうですが精神面でも成長してきています。今日のパドックは落ちついて雰囲気はよかったし、今までとはまったく違うメンバーでしたが頑張ってくれました。馬の状態を見て次走はジャパンダートクラシックか南部杯を考えてます」
取材・文峯村正利
写真佐藤到(いちかんぽ)、NAR
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音無秀孝調教師
今日の感じですとダートの方が合うと思います。この勝利で権利を獲りましたから、次走はジャパンダートクラシックを予定しています。










武豊騎手
コンディションはすごく良かったと思います。レースに行くと難しい面がある馬ですので気にはなっていました。もっと苦しいパターンも考えていましたが、いいポジションが取れて流れにも乗ることができました。最後は必ずいい脚を使ってくれるので、直線を向いた時にはなんとかなると思いました。